181210-009三重県南東沖M5.3・震度2深発地震・異常震域

三重県南東沖で約2年ぶりのM5以上地震、南海トラフ直近でのM5以上も


 
2018年12月10日の00:22に三重県南東沖でM5.3・震度2の地震が発生した。今回の地震は深さ300km以上の深発地震であることに加え、揺れを観測したのが関東地方であったという点で異常震域であるなど特徴的であったが、類似事例においてその後何らかの傾向性は見られていたのだろうか。

三重県南東沖で約2年ぶりのM5以上地震

日本国内でM5以上の地震が観測されたのは12月08日の福島県沖M5.1・震度4以来2日ぶりで、三重県南東沖における有感地震としては07月02日のM3.9・震度1以来5ヶ月ぶりであった。

今回の地震は三重県南東沖におけるM5以上としては2017年01月03日のM5.0・震度2以来約2年ぶりの有感地震であったという点だけでなく、深さ300km以上の深発地震であったこと、そして震源が三重県であったにも関わらず揺れを観測したのが栃木県の震度2をはじめ東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城、群馬、福島の震度1と関東地方が中心だった点、またフィリピン海プレート側で起きた地震であったという点からも注目を集めそうだ。

このうち震源から離れた場所が揺れる異常震域については、三重県南東沖における深い地震によく見られることから特に際立った特徴だったとは言えない。

ユーラシアプレート側で発生した前回07月02日のM3.9も372kmと深かったが揺れたのは福島県と栃木県でそれぞれ震度1であったのに加え、今回の震源に近い位置で過去に起きてきた深さ300km以上の地震12回いずれにおいても関東地方が揺れていたためである。

関東地方の中でも特に栃木県が目立っており、過去12回すべてで震度1以上を記録していたことから、今回の地震で唯一震度2を観測したことに関しても違和感はない。
 

シグナル出ていた南海トラフM5以上

深さ370kmの深発地震であったとは言え、昭和東南海地震の震源である三重県南東沖におけるM5以上ということで南海トラフが取り沙汰されることになりそうだが、関連する震源ではここ数日、気になる地震がいくつか起きていた。

12月06日に東海道南方沖で11ヶ月ぶりとなる有感地震が発生していただけでなく12月07日には奈良県と大阪府で相次いで地震が起き、その翌日12月08日になると日向灘と豊後水道で3回の地震が連発していたのだ。

過去の事例からも南海トラフ関連でのM5以上についてはいくつものシグナルが出ていた。

奈良県と大阪府が24時間以内に揺れあっていたケースでは過去の3例中3例でいずれも南海トラフ関連M5以上が起きていただけでなく、中には2002年09月のように翌日三重県南東沖でM5.1と今回同様の展開を見せていた事例もあった。

また11月25日の徳島県南部M4.1・震度3においても過去の類似事例からその後の南海トラフM5以上につながる傾向が示されていた他、11月19日のフィジーM6.7でも南海トラフから琉球海溝にかけての一帯でM5以上が起きる可能性がある、と紹介していたのである。

こうした点からは今回の地震は想定内だったと言ってよいだろう。
 

大地震と南海トラフM5以上の可能性は

深さ300km以上の深発地震、異常震域、三重県南東沖といくつの特徴を持った今回の地震だったが、では付近で過去に起きてきた地震はその後どのような国内発震をもたらしてきたのだろうか。

今回の震源に近い場所で発生してきた深さ300km以上の地震12例についてその後の傾向性を追跡したところ、最も目立っていたのがその後2ヶ月以内にM7以上大地震が日本列島近辺で起きていたという点であった。

1938年03月には2ヶ月後に茨城県沖でM7.0・震度5、2006年の際にも2ヶ月後の2007年01月に千島列島東方でM8.2・震度3、また1957年01月の時も7週間後に石垣島近海でM7.2・震度5などある程度時間が経ってからの大地震もあるが、1938年05月には1ヶ月後に宮古島北西沖M7.2・震度4と奄美大島近海M6.9・震度4が連発、1972年10月のケースでも1ヶ月後にM7.2・震度6の八丈島東方沖地震、そして1964年06月にはわずか4日後にM7.5の新潟地震が起き、その1週間後に今度は根室半島南東沖でM6.8・震度4と、12例のうち半分の6例でその後2ヶ月以内にM7以上大地震が記録されていたのである。

三重県南東沖での深発地震から南海トラフに関連する震源へと繋がっていった事例はどうだろうか。南海トラフから琉球海溝にかけての一帯で1ヶ月以内にM5以上が発生していたのは12例中9例。

しかし際立っているのは12例中6例で1週間以内にM5以上が起きていた点だ。

1938年05月には2日後に奄美大島近海M5.0、2006年11月にも翌日奄美大島近海M6.0といった事例もあるが、1943年10月は6日後に鳥取県中部でM5.8、1985年06月の際には4日後に九州地方南東沖でM5.5。

また1943年11月の事例では翌日大分県南部でM5.0・震度3、更に1938年03月のときにはわずか19時間後に鹿児島県薩摩地方でM5.0と三重県南東沖深発地震から直近でM5以上を観測していたケースもあった。
 
※画像は気象庁より。