181225-009択捉島南東沖M5.6

択捉島南東沖でM5.6、カムチャッカM7.4直後のM6クラス地震


 
2018年12月25日の03:54に択捉島南東沖でM5.6・震度1の地震が発生した。今回の地震は12月21日のカムチャッカ半島付近M7.4の際に「北海道・千島海溝M6以上に繋がる傾向が顕著」と指摘した形に近い規模で起きた地震であった。

 

カムチャッカM7.4直後の千島海溝沿いM6クラス

日本国内では前日の12月24日にも関東東方沖付近でM5.6とM5.5の地震が起きたばかりだが、これらの地震は震度1未満の無感地震であったことからM5.5以上の有感地震としては11月28日の青森県東方沖M5.7・震度3以来およそ1ヶ月ぶりとなる。

また択捉島南東沖における有感地震としては07月24日のM5.0・震度2以来5ヶ月ぶりで2018年としては今回が4回目。

03月05日のM5.4・震度2、04月28日のM4.9・震度1を含め択捉島南東沖で今年発生した3回の有感地震と今回の違いは震源の深さである。

これらの地震がいずれも深さ100kmを超える場所で起きていたのに対し今回のM5.6は深さ50kmと浅い位置であった。

択捉島南東沖を震源とする深さ20~50kmの有感地震としては2017年06月22日のM5.3・震度1(深さ30km)まで1年半遡る必要があることから、震源の深さまで含めて考えれば約1年半ぶりの性格を持った地震であったと言えそうだ。

とは言え無感地震まで含めれば択捉島南東沖付近では08月上旬に中規模地震が連発したケースがある。08月07日から08月09日にかけてM4.5~M4.9の規模の地震が深さ30~40km台を中心に6回相次いでいたのだ。

この時の一連の震源は今回のM5.6より東側であったが、約1ヶ月後の09月06日に胆振地方中東部でM6.7・震度7の平成30年北海道胆振東部地震が起きた点に照らせば、似た深さで発生した今回の択捉島南東沖M5.6がどのような影響をもたらすか注視するに越したことはないだろう。

太平洋プレートの西側では12月21日にカムチャッカ半島付近でM7.4の大地震が起きたばかりであり、12月24日から25日にかけてもM4.5以上の地震が10回観測されるなど余震活動が収まっていない。カムチャッカM7.4の際に「北海道・千島海溝M6以上に繋がる傾向が顕著」と紹介していたのに近い形で発生した今回のM5.6であったが、M6クラス以上がこれで収まるかどうかはまだわからない。
 

択捉島南東沖でも迫るM7以上大地震

択捉島南東沖では地震活動が活発なことから、今回の震源付近でも過去に複数回の地震を観測してきたが、深さ20~50kmの範囲で起きた類似地震6例についてその後2ヶ月間の国内M5以上を追跡したところ、特定の場所や地域との関連性は見当たらなかった。

とは言え択捉島南東沖周辺は千島海溝沿いのM8.8巨大地震が今後30年以内に7~40%の確率で発生する可能性があるとされている他、色丹島沖や択捉島沖ではM7.7~M8.5前後の地震が60%程度の確率で、またM7.5程度のひとまわり小さいプレート間地震が90%程度の高い確率で起きるとされていることから、今回の地震以降のこうした場所における地震への警戒は必要と言える。

特に択捉島南東沖では1937年以降、計8回発生してきたM7以上の大地震が1995年以来発生しておらず、過去90年間で最長の間隔を継続中なのだ。

択捉島南東沖M7以上の地震
1937年02月21日 M7.6 震度2 択捉島南東沖
1946年12月21日 M7.1 震度2 択捉島南東沖(9年ぶり)
1947年04月14日 M7.0 震度2 択捉島南東沖(1年ぶり)
1958年11月07日 M8.1 震度5 択捉島南東沖(11年ぶり)
1963年10月13日 M8.1 震度4 択捉島南東沖(5年ぶり)
1978年03月23日 M7.0 震度3 択捉島南東沖(15年ぶり)
1978年03月25日 M7.3 震度3 択捉島南東沖
1995年12月04日 M7.3 震度2 択捉島南東沖(17年ぶり)
※以降23年間M7以上未発生
 
※画像は気象庁より。