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2018年地震活動の特徴振り返りと2019年に注目すべき場所とは


 
2016年の熊本地震に続く大きな被災地震となった大阪府北部地震や胆振地方東部地震が発生した2018年であったが、国内及び海外における地震活動はどのような特徴を持っていたと言えるのだろうか。また2019年に強い地震に特に注意すべき場所とは。

 

2018年国内地震の動向

06月18日の大阪府北部地震に09月06日の平成30年北海道胆振東部地震と被災地震が相次いだ2018年であったが、1年を通しての地震活動にはどのような特徴が見られたのだろうか。

2018年に国内で震度1以上を記録したM6.0以上の地震は計15回。地震の規模を示すマグニチュード・震度共に最も大きかったのは09月06日の胆振地方中東部M6.7・震度7(平成30年北海道胆振東部地震)であった。

また震度5弱以上を記録した地震は計11回で、そのうち震度5強以上だったのは胆振東部地震(震度7)と大阪府北部地震(震度6弱)を除くと、04月09日の島根県西部M6.1・震度5強と05月25日の長野県北部M5.2・震度5強の2回であった。

平成28年熊本地震や鳥取県中部地震が起きた2016年は震度5弱以上33回・震度5強以上15回と非常に多かったが、2017年はどうであったかと言えば震度5弱以上が8回でそのうち震度5強以上が4回。地震の規模や震度から言えば、震度5弱以上が11回で震度5強以上が4回であった2018年は前年よりやや地震活動が活発であったと言えそうだ。

だが、一方で2018年の特徴として2017年に続きM7以上の国内地震が起きなかった年であった、という点が挙げられる。2016年11月22日の福島県沖M7.4・震度5弱以降、日本国内ではM7を超える地震は記録されていないのだ。

M7以上の大地震が2年続けて起きなかったのは2006年~2007年まで遡る必要があることから、10年ぶり以上ということになる。(2006年は千島列島東方M7.9と台湾付近M7.2、2007年は千島列島東方M8.2とマリアナ諸島M7.6・M7.1による国内震度1以上は観測)。

2006・2007年と2年続けて国内M7以上が発生しなかった次の年、2008年には05月08日の茨城県沖M7.0・震度5弱、06月14日の岩手・宮城内陸地震(岩手県内陸南部)M7.2・震度6強、09月11日の十勝沖M7.1・震度5弱とM7以上大地震が3回も発生していたことから、2019年は大規模な地震が国内を襲う可能性を視野に入れ防災に取り組むべきであろう。
 

2018年海外地震の動向

世界における地震活動はどうだったであろうか。2017年はM7以上大地震が世界で7回と少なかったが、2018年は17回と2倍以上に増加したのが目立っていた。

とは言え、2016年が16回、2015年も19回であったことに照らせば際立って多かったというわけではないが、2018年の場合、大地震が短期間に集中する傾向を見せた点が世界的な地震活動の活発化を印象づけていたと言って良いだろう。

というのも2018年01月から02月にかけて5回のM7以上大地震が発生した後、08月中旬まで一度も起きなかったにもかかわらず08月から09月にかけて6回も相次ぎ、その後再び沈静化の傾向を見せた後、12月に入ってから再度5回のM7以上大地震が連発したからだ。

世界的に大地震が連鎖する可能性に目を向ける契機となった年であり、2019年も引き続きこうした傾向を注視し、海外における大地震が国内に波及する恐れがあると念頭に置いておくべきであろう。

世界的な地震活動を俯瞰すると、特に21世紀に入ってからの活動が極めて活発化していることがわかる。M8以上の発生数を10年単位で並べてみると、20世紀に10回以上のM8以上を記録していたのは日本でも前回の南海トラフ巨大地震が発生した1941~1950年の12回のみ。

この時期に世界では1946年のアリューシャン地震(M8.6)や1950年のチベットにおけるM8.6を始めとする強い地震が相次いでいたが、21世紀に入ると最初の10年間で13回と早くもこれを超えているのだ。

2004年のM9.1、2005年のM8.6とスマトラ島付近で巨大地震が続いた他、2010年にはチリでもM8.8のマウレ地震が発生していたためだが、2011年以後もこの傾向は続いている。

2011年のM9.0東日本大震災を始め、2018年までにM8を超える地震が既に9回も起きており、2018年も08月19日にフィジーでM8.2が観測されるなど、2020年まで2年を残していることから1940年代、2000年代に続く3回目の「M8以上10回超え」を記録する10年間となる可能性が高い。それが日本における南海トラフ巨大地震や千島海溝沿いM8.8クラスの巨大地震への懸念を更に高めることになるだろう。

世界におけるM8.5以上の巨大地震発生回数から近年の地震活動を眺めてみるとその傾向は一層顕著だ。

20世紀以降16回起きてきたM8.5以上地震は1950年までに5回、1951年から2000年までに6回であったにも関わらず、まだ18年しか経っていない2001年から2018年までに既に5回発生しているからである。

2050年までの50年間に果たしてM8.5以上の巨大地震は何回記録されることになるのだろうか。
 

2019年国内地震注意すべきは

では、こうした状況で迎えた2019年、国内における地震活動はどのような傾向性を辿ることになるのだろうか。

南海トラフ巨大地震や首都直下地震、それに千島海溝沿いの巨大地震といった切迫する被災地震への警戒は当然だが、2018年の大阪府北部地震や胆振東部地震と同様のM6台でも多大な被害を及ぼし得る直下型地震については前兆なく発生するものと考え、国内全域で注意を継続することが重要だ。

それ以外の海溝型地震ではどうだろう。まず再確認しておきたいのが、南海トラフ巨大地震や千島海溝沿いの巨大地震に並ぶもうひとつのM9クラスとして想定されている地震の存在に目を向けることだ。

これは2018年08月に日本列島付近における海溝型地震の評価が新たに4ランクに分類された際、最も発生確率が高い「ランクIII」に南海トラフ巨大地震や千島海溝沿い巨大地震と共に並ぶことになった「三陸沖北部から房総沖の海溝寄り M8~M9程度」である。

「ランクIII」は30年以内の地震発生確率が26%以上とされており、他にも南関東M6.7~M7.3程度なども含まれるが、M8~M9という規模の大きさに加え、福島第一原発の存在に照らせば、特に首都圏ではこの地震への関心度をもっと高めておくべきであると言える。

次に南海トラフ巨大地震の前に西日本で増加するとされる強い地震について考えてみよう。1995年の阪神・淡路大震災から始まったと言われる西日本での強い地震は、2016年の鳥取県中部地震(M6.6・震度6弱)や2018年の大阪府北部地震など現在までにいくつも発生しているが、前回の南海トラフ巨大地震であった1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震の前にも同様の現象が見られていた。

1905年06月02日の芸予地震(M7.2)や1925年05月23日の北但馬地震(M7.3)、1936年02月21日の河内大和地震(M6.4)、1943年09月10日の鳥取地震(M7.2)それに昭和南海地震前に発生した1945年01月13日の三河地震(M6.8)などである。

次の南海トラフ巨大地震が迫る現在はどうかと言えば芸予地震は2001年03月24日にM6.7で起きている他、鳥取県では2000年10月06日に鳥取県西部地震(M7.3)や2016年の鳥取県中部地震が、近畿でも阪神・淡路大震災や2018年の大阪府北部地震以外に2013年04月13日に淡路島付近でM6.3が起きている。

だが、前回の南海トラフ巨大地震前に1931年と1941年の2度、M7を超える大地震が起きていたにも関わらず、今回はまだ発生していない震源があるのだ。日向灘である。

日向灘における地震に際し度々紹介している通り、1931年以降10~20年間隔でM7を超える地震が起きてきたにも関わらず、1984年08月07日のM7.1・震度4以来発生していないことからも、次の南海トラフ巨大地震前に日向灘でM7以上の大地震が起きる可能性は低くない。30年予測でもM7.1前後と推測される「日向灘プレート間のひとまわり小さいプレート間地震」は70~80%と南海トラフ巨大地震と同じ確率とされているのである。

前回の南海トラフ巨大地震前には1923年07月13日に日向灘の隣に位置する九州地方南東沖でもM7.3が発生しており、2019年にはこうした一帯における強い地震が起き得ると考えておくべきだろう。

更に、次の南海トラフ地震が「東海」「東南海」「南海」の3連動となることで前回よりも規模の大きな巨大地震になる可能性が指摘されているが、東海地方における強い地震にも注意した方が良さそうだ。

既に2009年08月11日に駿河湾でM6.5・震度6弱という地震が発生しているが、1854年の安政東海地震と安政南海地震の前年、1853年にもM6.7の小田原地震が起きており、3連動となる場合には東海における強い地震がまだ起きる可能性を否定出来ないためである。