190122-009豊後水道M4.3・震度3とその後の南海トラフ

豊後水道でM4.3・震度3、三重県南東沖M7.0やM6.5に繋がった例も


 
2019年01月21日の23:17に豊後水道でM4.3・震度3の地震が発生した。豊後水道では2017年と2018年にM5を超える震度4以上が起きており強い地震が増加傾向にあるが、今回の震源付近が揺れた事例ではその後三重県南東沖M6.5やM7.0に繋がっていたケースがあるなど南海トラフにおける地震活動に注意が必要なようだ。

 

近年強い地震増加傾向にある豊後水道

豊後水道で有感地震が観測されたのは2018年07月01日のM2.9・震度1以来およそ半年ぶりで、M4.0・震度3以上を記録したのは2018年02月19日のM5.0・震度4以来11ヶ月ぶりである。

2018年には4回の地震が起きていた豊後水道だが、最近の特徴としては1923年以降13回しか発生していないM5.0以上が2017年06月20日のM5.0・震度5強、2018年02月19日のM5.0・震度4と続いている点が挙げられる。

それ以前はと言えば2001年04月25日のM5.8・震度4、1981年07月17日のM5.1・震度3、1969年11月30日のM5.2・震度3とかなり以前であるだけに、最近の強い地震増加が次の南海トラフ巨大地震の前触れを構成する揺れである可能性は否定出来ない。

というのも前回の南海トラフ巨大地震である昭和東南海地震の前、1942年10月27日にM5.2・震度4が起きていた豊後水道では、1946年12月21日の昭和南海地震直前とも言えるタイミングだった1946年08月20日にもM5.9・震度4という強い地震が発生していたためである。

豊後水道付近についてもうひとつ、最近の特徴として挙げられるのが12月下旬に震度低周波地震が観測されていた点である。

01月10日に気象庁が発表した「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について」内で、豊後水道を含む四国西部で2018年12月17日から21日にかけて「深部低周波地震(微動)を観測した」「短期的ゆっくりすべりに起因すると推定される」と報告されているのだ。

気象庁では他の情報も踏まえた上で「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません」と結論づけているが、地殻変動の観測状況に関しては「2018年秋頃からは四国西部でもこれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています」とも述べており、豊後水道付近の動きを今後とも注視していく必要性を感じさせている。
 

三重県南東沖M7.0やM6.5に繋がった事例も

今回の震源位置は豊後水道の南部に当たり南側は日向灘が広がっていると共に、1498年にM7.3の日向地震が起きたとされている場所のすぐ近くである。

日向灘では2018年12月08日にM2.9~3.9、震度1~2の地震が3連発したが、この時の震源は日向灘北部、今回の震源から比較的近くであった上に震源の深さも約30kmと共通していた。

また01月15日にも日向灘の北部に当たる位置でM3.9・震度2の地震が深さ31kmで起きていた。

日向灘と豊後水道の境界付近での地震が目立つ状況において発生した今回の豊後水道M4.3・震度3であったが、では似た位置でこれまでに起きてきた地震はその後何らかの傾向性を見せていたのだろうか。

過去、付近で今回と似た深さにおいて発生してきた地震8例についてその後2ヶ月以内の国内M5以上を追跡してみると、南海トラフに関わりの深い震源で強い地震が起きていたケースが複数見られた。

2006年09月に今回の震源付近でM3.7・震度1が発生した際には、わずか2時間前に伊予灘でM5.3・震度4が起きていた他に11月に入ってから三重県南東沖でM5.5・震度2。

また1974年01月の豊後水道M3.9では1週間後に日向灘でM5.1、それから3週間後に再び日向灘でM5.7・震度4、その10日後に愛知県西部でM5.3が起きた後、今度は三重県南東沖でM6.5・震度3と続いた。

M7.0以上の大地震に繋がっていた事例も複数見つかっている。今回の震源に近い豊後水道で1978年02月03日にM4.5・震度2が発生すると1ヶ月後に東海道南方沖でM7.2・震度4、そして1983年11月04日のM4.6・震度2では11月から静岡県西部M5.2、日向灘M5.3、M5.1と相次いだ後、1984年01月01日に三重県南東沖でM7.0・震度4が発生していたのである。

8回中4回で三重県南東沖や日向灘、それに東海道南方沖といった震源でのM6クラスからM7以上大地震に繋がっていたという過去データからは、こうした場所における地震への注意を高めておくべきと言えるだろう。
 
※画像は気象庁より。
関連URL:【気象庁】南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-