190207-009日本海側で続く深海魚とその後の地震

リュウグウノツカイなど日本海側で続く深海魚とその後の地震


 
2019年01月下旬から日本海側を中心にリュウグウノツカイを始めとする深海魚が相次ぎ漂着や水揚げといった形で姿を現し、地震と関連があるのではないかとの観点から話題になっている。

 

日本海側でリュウグウノツカイなど深海魚が次々と

富山県や石川県といった北陸地方の日本海側を中心に続いている深海魚の発見は02月に入っても02月01日に富山県射水市でリュウグウノツカイが2匹水揚げされている他、02月06日にも新潟県上越市の海岸にリュウグウノツカイが漂着するなど話題が絶えない状態で、報道されただけでも2019年01月以降、これだけの数に達している。

2019年01月14日 京都府舞鶴市の沖合でリュウグウノツカイ捕獲
2019年01月19日 富山県滑川市の海岸でリュウグウノツカイが見つかる
2019年01月23日、兵庫県豊岡市竹野町沖でリュウグウノツカイが捕獲
2019年01月23日 富山県魚津市の海岸にリュウグウノツカイ打ち上げ
2019年01月28日 富山県新湊沖の定置網にリュウグウノツカイ
2019年01月30日 富山県魚津市経田の海岸でリュウグウノツカイ
2019年01月30日 鳥取県境港市の境漁港で8mのダイオウイカが水揚げ
2019年01月31日 石川県七尾市の定置網にダイオウイカとリュウグウノツカイ
2019年02月01日 富山県射水市の新湊漁港でリュウグウノツカイ2匹が水揚げ
2019年02月06日 新潟県上越市虫生岩戸の海岸に体長約5mのリュウグウノツカイ漂着

こうした深海魚の出現が強い地震への懸念を増幅させるのはやむを得ないだろうが、今回の場合、大手メディアまでが深海魚と地震との関連を窺わせるかのような論調を見せている点が注目される。

読売新聞が01月29日にリュウグウノツカイについて「相次ぐ発見の謎」として現地の水族館飼育員の「地震の前触れとか(中略)言われるが(中略)原因は分からない」との声を紹介している他、CNNも「『地震の前兆』と恐れる声も」というタイトルで02月03日に「地震の前兆を知らせるという言い伝えもあるが、科学的な関連性は確認されていない」と伝えているのだ。

では、最近同様にリュウグウノツカイが次々と打ち上がったケースはあったのだろうか。そして、そうした場合、その後強い地震には繋がっていたのだろうか。
 

最近の日本海側深海魚連発とその後の地震

実は日本海側ではここ数年の間に2度、リュウグウノツカイやダイオウイカといった深海の生物が相次いで捕獲される時期があった。

2015年11月から2016年02月にかけて富山県や福井県、それに石川県や新潟県でリュウグウノツカイやダイオウイカが10件近く次々と見つかっていた事例と、2016年11月から12月にかけて石川県や新潟県、兵庫県でリュウグウノツカイを始めとする深海魚が少なくとも6件、見つかっていたケースである。

これらについてその後、日本海側で強い地震が起きていたか追跡してみると、2015年末から2016年初にかけての事例では目立った地震は見られなかった。

2016年10月21日に鳥取県中部でM6.6・震度6弱の鳥取県中部地震が発生してはいたものの、時期的に符合するとは言い難く、また2016年末から2017年初の際にも、日本海側では2017年01月28日に秋田県内陸南部M5.0・震度3があった程度で、こちらも深海魚打ち上げが影響していたとは考えづらい。

2018年10月に東海大学らのチームが日本地震学会でクジラやイルカの大量座礁と大地震との間に相関関係は見いだせないとの分析結果を発表した際、深海魚の目撃例と地震との関連についても「関係性は見いだせなかった」と結論づけており、地震は起きないと断じることは出来ないまでも、過去データからもそれほど深刻に受け止める必要はないだろう。
 
関連URL:【読売新聞】深海魚「リュウグウノツカイ」相次ぐ発見の謎 【CNN】日本沿岸でリュウグウノツカイの発見相次ぐ 「地震の前兆」と恐れる声も 【毎日新聞】東海大チーム クジラ類の集団座礁、地震発生と相関なし