190212-009紀伊水道・南海トラフ巨大地震震源域寄りで地震

南海トラフ巨大地震震源域寄りの紀伊水道で震度2の地震が発生


 
2019年02月11日の19:07に紀伊水道でM3.7・震度2の地震が発生した。今回の地震は徳島県南部寄りで起きたという点で紀伊水道を震源とする地震としては特徴的であったが、南海トラフ巨大地震の震源域近くという意味で過去の類似事例がその後どのような地震をもたらしたのか、見ておく必要があるだろう。

 

紀伊水道の徳島県南部寄りで比較的珍しい地震

紀伊水道では01月29日のM2.6・震度1など2019年に入ってから既に3回の有感地震が観測されており今回が4回目となるなど活発な地震活動が続いている。

しかし、今回の地震にはひとつ目立った特徴が見られるのだ。四国と紀伊半島の間に位置する紀伊水道であるが、今回の地震は震央名こそ紀伊水道であるものの、震源位置は徳島県の南側に当たる場所だったのである。

紀伊水道を震源とした有感地震がこの付近で起きた事例は、実はあまり多くない。最近では2013年07月にM3.4・震度2が記録されているが、この時はその後南海トラフ関連震源に目立った動きはなかった。ところが、それ以外の事例を見る限り、安心するのは少々早計であるようなのだ。
 

南海トラフ巨大地震震源域寄りの事例とその後のM5以上は

1923年以降、紀伊水道を震源とした有感地震のうち、今回と同様徳島県南部との境界に近い場所で起きてきたいくつかの事例について、深さ約40kmであった今回と類似したケースの地震がその後どのような揺れに繋がっていたか追跡してみると、南海トラフに関連する震源におけるM5以上が多発していたのである。

今回の震源からごく近い位置で起きた最近の例として2013年のケースを挙げこの時は強い地震は発生しなかったと紹介したが、少し離れた場所で2015年01月に紀伊水道M3.4・震度1が観測された際には、3週間後に徳島県南部でM5.1・震度5強。

1994年08月の紀伊水道M4.9・震度2でも2週間後に宮崎県南部山沿いでM5.3・震度3が、1965年03月の紀伊水道M4.3・震度2でも1ヶ月後に静岡県中部M6.1・震度4がそれぞれ起きていた。

また1961年03月の紀伊水道M4.2・震度3では翌日に鹿児島県薩摩地方でM5.1・震度3が起きた後、11日後に八丈島東方沖M5.0、その後5月上旬に兵庫県南西部でM5.9・震度4や九州地方南東沖M5.6・震度3と続いていったのである。

あまり揺れることのない紀伊水道における今回の震源付近だが、昭和南海地震の震源域に近いためか、1947年から1948年にかけて複数回の揺れを観測していた。

この時期の地震は南海トラフ巨大地震の影響による余震であったとみられることから紀伊水道以降の地震も参考値となるが和歌山県南方沖や四国沖、高知県中部、東海道南方沖、伊勢湾、三河湾といった震源で多数のM5以上が発生していた。

気になるのは寧ろ、前回の南海トラフ巨大地震前に今回の震源に近い場所で起きていた1941年12月25日の紀伊水道M5.8・震度4だろう。翌月日向灘M5.4、種子島南東沖M5.2、八丈島東方沖M5.1、日向灘M5.1そして伊予灘M5.4と南海トラフの広い範囲で関連する震源におけるM5以上が連発していたからである。

南海トラフ関連として注目度の高い紀伊水道だが、今回の地震は南海トラフ巨大地震の震源域に近い位置が揺れたという意味で関心を集めることになりそうであり、過去の類似事例に照らせば南海トラフ関連におけるM5以上への注意も払っておくべきだろう。
 
※画像は気象庁より。