190302-009根室半島南東沖M6.2

根室半島南東沖のアウターライズでM6.2、M6超えは17年ぶり


 
2019年03月02日の12:23に根室半島南東沖でM6.2・震度4の地震が発生した。今回の地震は千島海溝の外側、アウターライズ領域で起きた可能性のある地震であったという点が特徴だが、過去の類似事例ではその後北海道東部における地震も目立っていた。

 

根室半島南東沖で17年ぶりのM6超え地震

北海道では02月21日に胆振地方中東部でM5.7・震度6弱の地震が起きていた他、02月26日にも択捉島南東沖でM5.4が発生するなど、02月下旬以降地震が相次いでいる。

日本国内でM6.0を超える規模の地震が観測されたのは01月08日の種子島近海M6.0・震度4以来およそ2ヶ月ぶりのことであり、大阪府北部地震や平成30年北海道胆振東部地震と被災地震が相次いだ2018年にも国内でM6.0を超えた地震は11回であったことから、比較的珍しく規模の大きな地震が今回発生したということが出来る。

また今回震源となった根室半島南東沖で有感地震が観測されたのは01月26日のM3.9・震度2以来約5週間ぶりで2019年としては今回が4回目と珍しいとは言えないが、根室半島南東沖でM6.0を超えたのは2002年08月25日のM6.0・震度4以来17年ぶりのことであり、規模まで含めて考えれば地震の多い根室半島南東沖としても注目すべき地震であったと言える。
 

アウターライズ領域でのM6以上、類似事例の特徴は

今回の地震における最も大きな特徴は震源がアウターライズ領域であったという点だ。

U.S. Geological Surveyによる20世紀以降、周辺で発生してきたM6.0以上の震源マッピングを見ればわかる通り、千島海溝の外側で発生したM6.0以上地震の例は内側に比べ極めて少ない。

今回は震源の深さが約10kmであったとされていることから、沈み込む太平洋プレート内で発生した地震であったとみられるが、こうした地震が起きた際にはその後何らかの傾向性は見られてきたのだろうか。

千島海溝の外側で発生した過去4回の事例のうち、今回と震源の深さが近かった1926年03月09日のM6.3と2004年09月13日のM6.1について、その後2ヶ月間の国内発震状況を追跡してみると、やはり北海道東部から千島列島にかけての一帯を刺激していた可能性があることがわかった。

1926年の例では11日後に青森県東方沖でM6.0、その5日後に釧路沖でM6.3、更に2週間後こんどは十勝沖でM6.1、その翌日釧路沖でM5.6とM6クラスが相次いでいた他、2004年の事例でも3週間後に十勝地方南部でM5.1が起きた後、その1ヶ月後に北海道東方沖でM5.8、更に翌月十勝沖でM6.3と強い地震が目立っていたからである。

2017年12月に地震調査委員会が発表した「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)ではM8.8程度以上の地震が今後30年以内に7~40%の確率で発生する可能性があるとされていたことから大きな注目を浴びたが、この中でも海溝軸外側の地震について言及されている。

「評価対象領域では発生していない」として「確率は不明」としているが、2007年に千島列島で起きたM8.1や1933年の昭和三陸地震(M8.1)を挙げ「同様の規模の地震が千島海溝でも発生する可能性がある」と注意を呼びかけているのだ。

前述の通りアウターライズ領域におけるM6以上が千島海溝沿いの北海道東部で引き続きの強い地震に繋がっていく可能性がある点に照らせば、注意レベルを上げる必要があるだろう。
 

シグナルも出ていた北海道東部での強い地震

今回の根室半島南東沖M6.2に対してはいくつかのシグナルも出ていた。

02月22日にエクアドルでM7.5の大地震が発生した際、過去の事例から「北海道における大きめの地震に注意」としていた他、01月13日の鳥島近海付近M5.4でも過去5例中4例でM6クラスが起きていたことから「北海道から千島列島にかけての一帯における強い地震への注意が必要」と指摘していたのである。

更に01月14日の茨城県南部M4.9においては、過去の6事例中3例で北海道東部におけるM7以上が記録されていたと紹介していた。既に現在、今回の根室半島南東沖M6.2より一回り大きな地震への懸念も出ている状態であると考えるべきであろう。
 
※画像はU.S. Geological Surveyより。
関連URL:【気象庁】千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)(PDF)