190323-009長野県北部で4回の地震

長野県北部で4回の地震、糸魚川-静岡構造線断層帯と連発時の傾向性


 
2019年03月23日の朝、長野県北部で4回の有感地震が相次いで発生した。震源位置が30年予測で高い確率が示されている糸魚川-静岡構造線断層帯付近であった点にまずは注意が必要だが、長野県北部が連発した際にはその後東北地方太平洋側で強い地震が起きる傾向性があるようだ。


 

長野県北部と糸魚川-静岡構造線断層帯

03月23日07:37 M2.9 震度2 長野県北部
03月23日07:39 M2.1 震度1 長野県北部
03月23日07:41 M2.4 震度2 長野県北部
03月23日08:26 M2.5 震度2 長野県北部

長野県北部は地震活動の活発な震源として知られており、今回の地震は2019年としては6~9回目に当たり、02月19日のM4.7・震度3以来約1ヶ月ぶりであった。

2018年には44回の有感地震を記録しており、その中には05月12日のM5.2・震度5弱や05月25日のM5.2・震度5強を含むなど強い揺れを伴う地震も少なくないことから、こうした場所で4回も立て続けに起きた地震であるとして今後の動向を注視していく必要があるだろう。

4回の地震の震源はほぼ同位置で深さはごく浅いもしくは約10kmとされているが、位置的に最も特徴的であった点が「糸魚川-静岡構造線断層帯」にごく近い場所であったという点だ。

糸静線沿いでは過去にM6を超える規模の地震も複数回起きており、2018年05月12日の長野県北部M5.2・震度5弱に関しても発生当時、専門家が新聞紙上で糸静線の活動と無関係とは言えない、と語るなどその活動に注目すべき断層帯の一つである。

その証拠に地震本部が公開している30年予測では、糸魚川-静岡構造線断層帯のうち、今回の4連発の震源に近いとみられる「北部」と「中北部」についてはそれぞれ、このように高い確率が示されている。

糸静線北部 :M7.7程度の地震が30年以内に0.01~16%の確率で発生
糸静線中北部:M7.6程度の地震が30年以内に14~30%の確率で発生

「中南部」はM7.4程度が1~9%、「南部」はM7.6程度がほぼ0~1%と北部・中北部より低いが、今回の地震は糸静線の北側で発生したことから、内陸部の直下型でM7を超える規模の地震が起きてもおかしくないと言えるのだ。

では、このように長野県北部それ自体への警戒を緩めるべきではない一方で、長野県北部において4回もの地震が立て続けに起きた際、その後の国内地震に何らかの傾向性は見られてきたのだろうか。
 

長野県北部連発で東北地方太平洋側M6クラスの傾向性

地震活動が活発な長野県北部だけに、これまでに同日中に4回以上の地震が起きていたケースは複数確認されている。

中でも1965年08月から1970年06月にかけて6万回以上の有感地震が続いた世界的にも稀な松代群発地震が際立っているが、それ以外のケースも少なくない。

ただし、1941年07月15日のM6.1・震度6から翌日にかけての7回、2012年07月10日のM5.2・震度5弱を含む18回、2018年05月26日のM5.2・震度5強を含む7回、のように多くはM5以上もしくは震度4以上といった強い地震の余震としての意味合いが多く、今回のように大きな揺れを伴わずに4回以上の地震が連続したケースはそれほど多くない。

今回は強い地震の余震という意味合いを持たない7回の事例についてその後2ヶ月間の国内発震状況を追跡してみた。

すると目立った特徴が浮かび上がった。東北地方太平洋側におけるM6クラス以上が全てのケースで起きていたのである。

2004年05月19日に長野県北部で4回の地震が続いた際には10日後に福島県沖でM5.9・震度3、07月17日に千葉県南東沖でM5.5・震度4が起きるなどM6クラス2回を含むM5以上が5回。

2011年10月18日の長野県北部4回に対しては1ヶ月に福島県沖でM6.1・震度4などM5以上が7回。

2013年04月09日の長野県北部5回では8日後に宮城県沖でM5.9・震度5弱、その12日後に千葉県東方沖でM5.6・震度3、それから3週間後に福島県沖でM6.0・震度5強と3回のM6クラスを含むM5以上が8回。

長野県北部で2014年11月28日に5回、12月01日に4回の地震がそれぞれ連発した時は12月20日に福島県沖でM6.0・震度4、その5日後にも福島県沖でM5.6・震度3、他にも千葉県北東部でM5.0・震度4といった具合である。

最近では2017年05月27日に長野県北部で7回の地震が立て続けに起きると、しばらく時間が経ってからだが07月20日に福島県沖でM5.8・震度4、07月24日に三陸沖でM5.7・震度2といった例も見られるがそれだけではない。M7クラスやM7以上に繋がっていた事例もあるのだ。

まず1965年08月27日に長野県北部で5回の地震が発生した際には茨城県沖で09月18日にM6.6・震度4とM7クラスが起きていた他、M6クラスも三陸沖M5.6が2回とM5.5、茨城県沖でM6.2、M5.7、M5.6が2回にM5.5、福島県沖でもM5.5と多発。

また長野県北部で2014年06月09日に4回の地震が起きると1ヶ月後には福島県沖でM7.0・震度4という大地震が引き起こされていたのだ。この時は他にも岩手県沖M5.9・震度5弱や福島県沖M5.8・震度4、茨城県沖M5.7・震度3などM6クラスが複数発生していた。

長野県北部と東北地方太平洋側の関係性については東日本大震災当時を思い出してみると良い。M9.0の本震から24時間経過していなかった2011年03月12日の03:59に長野県北部ではM6.7・震度6強という強い地震が起きていた他、同日中にM5.9・震度6弱そしてM5.3・震度6弱と震度6以上が3回も続いていたのである。
 
※画像は気象庁より。