190327-011日向灘でM5以上連発と南海トラフ

日向灘でM5超え地震が23年ぶりに連発、過去事例から見る今後の傾向性は


 
2019年03月27日に南海トラフとも関連の深い震源として知られる日向灘で強い地震が相次いでいる。夕方までにM5を超える地震が2回起きているが、こうした展開からはその後どのような傾向性が見られるのだろうか。

 

日向灘で23年ぶりのM5以上連発

日向灘では午前中、09:11にM5.4・震度3の地震を記録していたが、午後になってから再びM5.4が発生し、震度4を観測。他にも複数回の揺れが起きていることから、日向灘及び南海トラフへの警戒が急速に高まっているようだ。

03月27日09:11 M5.4 震度3 日向灘
03月27日09:40 M4.2 震度1 日向灘
03月27日15:38 M5.4 震度4 日向灘
03月27日15:54 M2.7 震度1 日向灘
03月27日18:11 M3.7 震度1 日向灘

地震活動の非常に活発な場所である日向灘であるだけに有感地震それ自体は珍しくないが、M5を超える規模であったのは2017年03月02日のM5.3・震度4以来2年ぶり。

またM5以上の地震が同日中に2回発生したのは1996年10月19日以来23年ぶりのことであり、この時、3回目に起きていたM5以上がM6.9・震度5弱であった点に照らせば、日向灘における強い地震への懸念が高まるのも無理はない。

では、日向灘で同日中に2回以上のM5以上が起きた際、その後の地震はどのような傾向性を見せてきたのだろうか。
 

日向灘でM7超える地震起きていた例も

1922年以降の約100年間のうち、日向灘で同日中にM5を超える地震が連発していた事例は15回。そのうち、2ヶ月以内に日向灘自体で再びM5以上が起きていたのは6例であった。

6例中、知っておきたいのはM7クラスに繋がっていたケースだろう。前述の1996年10月19日の事例では夕方と深夜にM5.2とM5.5が発生した後、深夜のうちにM6.9・震度5弱へと繋がっていっただけでなく、1.5ヶ月後の1996年12月03日にも日向灘ではM6.7・震度5弱が起きていた。

また1941年11月14日にM5.6・震度3とM5.2・震度3が続いたケースでは、5日後の1941年11月19日にM7.2・震度5という大地震が引き起こされていたのだ。

今回のM5以上連発もこうした展開にならないとは限らないことから、当面の間要注意と言えるだろう。
 

南海トラフ震源に繋がっていた事例は

次に日向灘でのM5以上連発が南海トラフに関連の深い場所における地震に繋がっていた事例について見てみよう。

日向灘M5以上連発15例のうち、琉球海溝沿いを除いた南海トラフに深く関わっている可能性の高い場所で2ヶ月以内にM5以上の地震が起きていたのは日向灘を震源とした地震を含めると10例に達する。

1946年05月01日に日向灘でM5.5・震度3とM5.2・震度3が続いた際には、その9日後に和歌山県南方沖M5.4・震度2、それから7日後に四国沖M5.1・震度1、さらに8日後に九州地方南東沖M5.5・震度1、翌月初めになると今度は静岡県西部M5.0・震度2と広い範囲でM5を超える規模の地震が頻発していた。

そうした中でM6クラス、M7クラスといった南海トラフにおける強い地震も複数見られていた。

1941年11月14日に日向灘でM5.6・震度3とM5.2・震度3が連発した際には翌月に紀伊水道でM5.8・震度4。1968年04月01日の日向灘M5以上2連発では40日後に三重県南東沖でM5.6・震度3。1987年03月18日の日向灘M5以上3連発の時には和歌山県北部でM5.6・震度3といった具合である。

中でも1929年05月22日に日向灘でM6.9・震度5、M5.2・震度2、M5.3・震度1とM5以上が3回連続して発生したケースでは、12日後の1929年06月03日に三重県南東沖でM6.7・震度4という強い地震が起きていたことから、周辺の震源に対する影響にも留意しておく必要があるだろう。
 

国内M7クラス以上にも要注意

最後にそれ以外に目立っていた点について2つの観点から紹介しておくことにする。

日向灘で過去にM5以上が同日中に連発した15事例のうち、6例が前回の南海トラフ巨大地震前に起きていたのだ。

1922年以降のデータである点に照らせば、今回のようなケースが次の南海トラフ巨大地震の前触れを構成する地震の一環であった可能性は否定出来ない。

また、日向灘で連発してから2ヶ月以内に日本国内でM7クラス以上が発生していた事例が15例中10例に及んでいたことがもうひとつの点である。

中でもM7.0を超える大地震が6回含まれていたことが特徴的で、前述の1941年日向灘M7.2以外にも1963年10月13日のM8.1択捉島地震、1971年08月19日のM7.0・北美濃地震、1982年03月21日のM7.1浦河沖地震など複数の命名地震が日向灘におけるM5以上連発後に起きていたのである。
 
※画像は気象庁より。