190412-010父島近海M5.6

父島近海M5.6深さ500km以上で初の有感地震その後南海トラフへの波及も


 
2019年04月12日の16:31に父島近海でM5.6・震度1の地震が発生した。同日には沖縄本島近海でM5.0、前日にも三陸沖でM6.0と強い地震が相次ぐ日本列島だが、今回の震源については特徴的な点がある他、過去の事例ではその後南海トラフ関連震源における地震にも繋がっていく傾向性があるようだ。

 

日本列島で相次ぐM5超え地震

04月に入り日本列島でM5を超える強い地震が相次いでいる。04月11日には三陸沖でM6.0が起きた他、12日にも沖縄本島近海でM5.0沖縄本島近海では04月08日にもM5.6が記録されており、今回父島近海でM5.6が引き起こされた小笠原においても、04月05日に鳥島近海でM5.9というM6クラスが発生したばかりである。

日本海溝沿い、琉球海溝沿い、伊豆・小笠原海溝沿いでそれぞれ、M5を超える規模の地震が続いている形であり、まだ揺れていない南海トラフや相模トラフ、それに日本海側への波及が懸念されるが、今回の父島近海M5.6は今後どのような影響を与え得るのだろうか。
 

父島近海500km以上で初の有感地震

今回の父島近海M5.6の地震で最も特徴的であるのは深さが約550kmと非常に深い震源でありながら震度1を観測したという点だ。

というのも、父島近海では1922年以降、深さ500kmを超える地点で起きた地震が有感地震となったケースは一度もなく、今回が初めてだからである。

父島近海深さ400km以上で震度1以上を観測していたのも、これら3回のみなのである。

1937年06月13日 M5.7 震度2 深さ417km 父島近海
2000年10月27日 M6.3 震度2 深さ413km 父島近海
2009年05月01日 M5.5 震度1 深さ418km 父島近海

とはいえ、父島近海でこれまで深さ500km以上の地震が起きてこなかったというわけではない。震度1以上を記録した地震としては今回が初めてであったということである点に注意は必要だ。

では、今回の父島近海震源付近で地震が発生した場合、その後どのような発震傾向が見られてきたのだろうか。

まず、伊豆・小笠原方面については最近、複数回に渡って地震活動の活発化が指摘されている状態である点に留意する必要がある。

03月01日のペルーM7.0大地震では、過去の類似事例3つ全てでその後伊豆・小笠原におけるM6クラスに繋がっていたことがわかっており、すでに04月05日に鳥島近海でこの条件に合致するM5.9が発生している。

また03月中旬に東海道南方沖付近でM4超え地震が連発した際にも、過去の事例5回中2回で伊豆・静岡での地震活動が生じていたことが判明しており、03月19日の新島・神津島近海における有感地震の際にも「伊豆・小笠原における強い地震の端緒となる恐れについても視野に入れておく必要がある」と紹介していた。
 

南海トラフ関連震源が揺れる傾向も

こうしたシグナルやその後の鳥島近海M5.9、今回の父島近海M5.6といった流れは伊豆・小笠原における今後の地震活動の更なる活発化への懸念を高めるが、今回の震源に関してはもうひとつ、「南海トラフ」への影響も無視は出来ないようだ。

島近海でこれまでに深さ300km以上の深発地震で震度1以上を観測してきた5つの事例についてその後2ヶ月間の国内発震状況を追跡してみると、5回中4回で南海トラフと関係の深い震源でM5以上が起きていたからである。

1937年06月13日に父島近海深さ417kmでM5.7・震度2が発生すると11日後に大隅半島東方沖でM5.3・震度3、翌月には徳島県南部でもM5.0・震度3。

1941年05月26日に父島近海深さ365km地点でM5.6・震度2が観測された際には7週間後に日向灘でM6.1・震度4とM6を超える規模の地震。

また2000年10月27日の父島近海413km・M6.3ではわずか4日後に三重県南部でM5.7・震度5弱という強い揺れが引き起こされていた他、最も直近の事例である2009年05月01日の父島近海深さ418km・M5.5でも5週間後に伊勢湾でM5.0の規模の地震が発生していたのである。
 
※画像は気象庁より。