190415-010白頭山噴火の兆候

噴火兆候の白頭山、過去の噴火と南海トラフ・首都直下・富士山噴火は


 
北朝鮮北部の活火山・白頭山で噴火の兆候が深刻化しているとして韓国で大きな問題となっている。仮に噴火した場合、日本への影響も無視出来ないことから国内メディアもこれを報じており、関心を集めているようだ。

 

白頭山に噴火の兆候

白頭山周辺では21世紀に入ってから火山性地震が多発、温泉の温度が上昇するなど噴火の兆候と見られる現象が起きており、韓国の国会では討論会も開かれるのだという。

白頭山は946年に大噴火を起こした際、「韓国全体に1メートル以上積もらせる莫大な量の噴出物を噴き出した」「過去1万年に地球上で起きた最も大きい規模の噴火に属する」とされ、「日本の北海道には火山灰が5センチメートル以上積もった」という(中央日報の報道より)。

数年前から白頭山噴火に関しては複数のメディアが取り上げてきたが、04月15日には日本でもFNNが「噴火の兆候があると、韓国の研究機関が明らかにした」と報じたことから、日本国内でも今後警戒が広がっていくことは間違いないだろう。

白頭山が946年と同等の規模で噴火した場合、北海道や東北地方に大量の火山灰が降り注ぐ恐れがある。その規模について「東北大学総合学術博物館のすべて」「白頭山の謎」では「総噴出物量は83~117km3にも及ぶ」「1991〜1995年の雲仙普賢岳(総噴出量0.25 km3)の総噴出物量の200倍以上」「噴出量は有史以降最大級の噴火」と説明している。

火山灰がもたらす被害とその影響については韓国における動きを受けて日本でも専門家による議論や情報提供が活発化するだろうが、ここでは噴火と密接な関係にある地震への影響について、過去のデータを挙げてみることにする。
 

白頭山の噴火と前後に起きていた巨大地震

韓国では2016年09月12日に朝鮮半島南部でM5.7という強い地震が発生した際、これが東日本大震災による影響であるとする見解を専門家が呈し反響を呼んだ。

というのも韓国では779年に慶尚道でM6.5の地震が起きていたが、当時日本では東日本大震災と比較されるM8.6の貞観地震が869年に発生していたためで、約1,200年後に再び、日本と韓国で強い地震が発生しあっているのではないかとの観点が話題性を喚起したためである。

前述の通り白頭山が巨大噴火を引き起こしたのは946年。貞観地震から70年ほど後のことであったが、同じ時期、日本ではこれだけの地震が起きていた。

864年 富士山の貞観大噴火
869年 貞観地震(M8.6)
878年 相模・武蔵地震(M7.4)
887年 仁和地震(M8.5)
946年 白頭山噴火

では、946年ほどではないにせよ、白頭山が他に噴火した際には日本国内における地震発生状況はどうだったのであろうか。

日経サイエンス2012年2月号「大噴火近い?白頭山」によると「最後に噴火したのは1903年」だという。この前後、日本ではこれだけの地震が起きていた。

1896年 明治三陸地震(M8.5)
1903年 白頭山噴火
1923年 大正関東地震(M7.9)
1944年 昭和東南海地震(M7.9)
1946年 昭和南海地震(M8.0)

一方、「東北大学総合学術博物館のすべて 白頭山の謎」では白頭山最後の噴火について「最後の小規模噴火である1702年からも約300年が経過しています」との見方を示している。このときはどうだったかと言えばやはり前後に東北地方における強い地震や南海トラフ巨大地震が記録されていた。

1677年 延宝八戸沖地震(M8.0)
1677年 延宝房総沖地震(M8.0)
1702年 白頭山噴火
1703年 元禄関東地震(M8.2)
1707年 宝永地震(M8.6)
1707年 富士山の宝永大噴火

「白頭山の謎」では白頭山の噴火間隔について大規模な噴火は過去4,000年の間に3回、約1,300年に一回の割合であり、小規模な噴火は200~300年に一回の割合として「そろそろ次の噴火が起きてもおかしくない時期に来ていることは確か」と結論づけている。

白頭山の噴火に伴う火山灰の被害だけでなく、白頭山の噴火によって日本国内でも首都直下地震や南海トラフ巨大地震、それに富士山の噴火に繋がっていく恐れも念頭に置いておくべきなのかもしれない。
 
※画像はGoogleMapより。
関連URL:【中央日報】「白頭山噴火の兆しが深刻化」…対応策まとめる討論会開催 【FNN PRIME】南北の“聖地”白頭山に「噴火兆候」 韓国の研究機関が公表 東北大学総合学術博物館のすべて 中国・朝鮮国境の大活火山 白頭山の謎」 【日経サイエンス】特集 迫る巨大地震 サイエンス・イン・ピクチャー 大噴火近い? 白頭山