190417-009広島県南東部地震

広島県南東部で15ヶ月ぶり地震、過去事例でその後揺れていた南海トラフ


 
2019年04月17日の14:35に広島県南東部でM3.5・震度2の地震が発生した。広島県南東部で有感地震が起きたのは15ヶ月ぶりと珍しい地震であったが、周辺で過去に起きてきた地震では、その後南海トラフに関連する震源におけるM5以上に高確率で繋がっていた。

 

広島県南東部で15ヶ月ぶりの有感地震

広島県南東部で有感地震が起きたのは2018年01月25日のM3.1・震度1以来1年3ヶ月ぶり。その前に揺れたのが2016年08月04日のM3.1・震度2、更にその前は2014年07月16日のM2.8・震度1であったことから、ここ数年、1~1.5年に1度程度の間隔で有感地震が発生するという比較的珍しい震源で観測された地震であったと言える。

今回の震源は黒瀬断層と宇津戸断層に挟まれた付近であったと見られ、震源の深さは約20kmとされている。

これまでに周辺で強い地震が発生した履歴は知られておらず、30年予測でも黒瀬断層はM6.0程度の地震が、宇津戸断層はM6.7程度の地震がそれぞれ30年以内に「不明」の確率で起きるとされていることから、今回の地震による影響は定かではない。

では、今回の震源付近で過去に記録されてきた地震においては、その後どのような揺れがもたらされてきたのだろうか。
 

過去事例で揺れていた南海トラフ関連震源

広島県南東部が前回揺れた2018年01月25日のM3.1・震度1のケースでは、震源の位置は今回より東側に当たる場所であった。

当時、近くで過去に起きた地震によってその後「小笠原方面における地震活動が極めて活発化していた」と紹介したところ、12日後には小笠原諸島西方沖でM5.6が、またその5日後には八丈島東方沖でM4.9の地震がそれぞれ発生。八丈島東方沖ではその後も3月にかけてM4.6、M5.8と比較的強い地震が続いていった。では、今回の震源の場合には、どのような傾向性が見られてきたのだろうか。

1922年以降、広島県南東部で記録されてきた有感地震58回のうち、今回の震源から比較的近い位置で発生してきた5回のケースについてその後2ヶ月間の国内M5以上について追跡してみると、いずれの事例でも南海トラフと関係が深いとみられる震源で地震が起きていたことがわかった。

1929年10月の事例では3週間後に和歌山県北部でM5.8・震度4、1953年10月のケースでも5週間後に日向灘M5.2・震度3、1963年11月の時にも九州地方南東沖でM5.2・震度2、最も古い事例である1926年09月にも5週間後に滋賀県北部でM5.0・震度2といった具合である。

前回の南海トラフ巨大地震であった昭和南海地震から半年後に当たる1947年04月01日に広島県南東部でM不明・震度1の地震が起きた際にも、10日後に和歌山県南方沖でM5.6・震度3、その13日後に紀伊水道でM5.1・震度3、更に3日後と5日後に四国沖でM5.2とM5.8、その後も和歌山県北部M5.6、大分県西部M5.5と続いていった。

この時の一連の地震は昭和南海地震の余震としての意味合いが強かったものとみられるが、そうした地震の一環にも広島県南東部が含まれていたことが南海トラフにおける地震との関連の深さを示しているとも言える。

南海トラフ関連震源におけるM5以上については現在複数のシグナルが出ている状態である。03月27日に日向灘でM5.4が2連発したケースでは同様のケース15例のうち10例でその後南海トラフM5以上に繋がっていたとのデータが示されている他、04月12日の硫黄島近海M5.8においても、速報ベースで父島近海とされてはいたものの、付近における過去の地震では5例中4例で南海トラフM5以上に繋がっていたのである。

今回の広島県南東部における地震は、こうしたシグナルを更に強めたという意味合いで南海トラフへの警戒レベルを高めておくべきであろう。
 
※画像は気象庁より。