190429-014遠州灘で3年ぶりの有感地震、深発異常震域

遠州灘で3年ぶりの有感地震、直後に大地震起きていた事例も


 
2019年04月29日の14:24に遠州灘でM4.1・震度1の地震が発生した。遠州灘における有感地震としては約3年ぶりとなる点が注目されるが、過去の事例では東北地方における地震に繋がる傾向が見られており、中には直後にM7.6の大地震が起きた事例もあった。

 

遠州灘で3年ぶりの有感地震が発生

今回の地震は震源の深さが約320kmの深発地震であったが、2つの点で特徴的であった。ひとつは震源が愛知県と静岡県の県境付近であったにも関わらず、震度1を観測したのが茨城県、栃木県、千葉県そして東京都と遠隔地であり、いわゆる異常震域であったという点。

そしてもう一つが遠州灘で震度1以上の有感地震を記録したのが2016年07月17日のM4.9・震度1以来約3年ぶりという珍しい地震であったという点である。

まず前者については過去の事例でも遠州灘における深発地震が関東から東北地方における太平洋側で揺れを引き起こしてきたことから、これまで同様であり、驚くには値しない。

前回2016年07月のM4.9も震度1を観測したのは福島・茨城・栃木・千葉であり、その前となる2013年11月19日のM5.7・震度2においても、震度2を記録していたのは宮城・福島・茨城・栃木・千葉・東京であったのだ。

では遠州灘におけるおよそ3年ぶりの有感地震という点についてはどうだろう。前述の通り遠州灘で前回有感地震が観測されたのは2016年07月のM4.9・震度1であったが、それ以外にも深さ300kmを超える深発地震は震度1未満に終わった無感地震がしばしば発生している。

2018年10月02日には遠州灘深さ326kmでM3.9、伊勢湾深さ349kmでM3.6、そして三重県南東沖で深さ360kmのM3.8と深さ459kmのM4.4が相次ぎ注目を集めていた。

従って今回の地震は有感地震として記録されたという意味では約3年ぶりであったが、遠州灘で地震が起きたのが3年ぶりということではない点に注意が必要だ。だがそれでも「遠州灘で3年ぶり有感地震」のインパクトは強い。
 

遠州灘における地震の傾向と前回の南海トラフ巨大地震時の揺れ

遠州灘で過去に記録されてきた有感地震は1922年以降、わずか88回。しかもそのうち26回が前回の昭和東南海地震と昭和南海地震が発生した1944年~1946年の間に集中している。

こうした点からも今回の有感地震が遠州灘としては珍しい地震であったと言えるが、遠州灘で記録されてきた地震は大きく2つに分けて考える必要がある。深さ0~50kmの浅い位置で起きる地震と、今回のように深さ300km前後以上の深い場所で起きる地震である。

1944年12月07日の13:36に発生したとされる前回の昭和東南海地震の際、遠州灘では同日の13:54とわずか18分後にM5.8・震度5の地震が発生、その後数日間で5回の揺れが起きていたが、それらはいずれも深さ10km未満と浅い位置であった。

今回の震源は深さ約320kmであったことから南海トラフとの直接の関わりは不明であるが、昭和東南海地震の前、最後に遠州灘が揺れたのは1942年08月16日のM4.8・震度1。この時の震源の深さは343kmであったのだ。

このような傾向性を見せてきた遠州灘だが、では今回の震源付近で過去に発生してきた深発地震の際には、その後国内でどのような地震が起きてきたのだろうか。
 

関東・東北が揺れる傾向性、直後にM7.6大地震の事例も

今回の震源に比較的近い場所で過去に起きた深さ300km以上の地震4例について、その後2ヶ月以内に発生した国内M5以上を追跡してみると、ある特徴が浮かび上がった。遠州灘深発地震の際に揺れる関東から東北地方の太平洋側、日本海溝沿いとリンクするようにこの一帯で強い地震が多発する傾向が見られたのだ。

1967年03月10日に深さ331kmで発生した遠州灘M4.7の際には9日後に栃木県南部M5.4・震度4、その2日後に茨城県南部M5.1・震度3、それから2週間後に千葉県北東部でM5.2・震度3。

1976年03月07日の遠州灘M4.6(深さ317km)では約3週間後の03月30日に三陸沖でM5.6をはじめM5を超える地震が4回も連発していた。

2005年05月29日の遠州灘M5.0(深さ311km)の時も3週間後に千葉県北東部M5.6・震度4、翌月千葉県北西部M6.0・震度5強、茨城県南部M5.0・震度4と関東地方で強い地震が続いた他、三陸沖でもやはりM5.2とM5.5が発生していた。

更に三陸沖に関しては特筆すべき地震も記録されていた。1994年12月25日の遠州灘M4.8(深さ312km)からわずか3日後の1994年12月28日にM7.6・震度6の三陸はるか沖地震が起きていたのである。

三陸沖では04月11日にM6.204月23日にもM5.6と最近、活動が活発化しているが、それらの際に紹介したとおりM7クラスへのシグナルも出ている状態であり、今回の遠州灘有感地震で更にシグナルが強まったと考えるべきだろう。
 
※画像は気象庁より。