190515-009パプアニューギニアM7.5と太平洋プレート沿いへの影響

パプアニューギニアでまた大地震、太平洋プレート沿いへの影響は


 
2019年05月14日の日本時間21:58にパプアニューギニアでM7.5の大地震が発生した。パプアニューギニアでは05月07日にも大地震が起きたばかりで、今回の地震は震源の場所や深さがこの時とは異なっていた。似た事例でその後見られていた傾向とは。

 

パプアニューギニアで05月07日に続く大地震

パプアニューギニアでは05月07日にもM7.2の大地震が起きたばかりであったが、この時の震源は今回より西側、パプアニューギニアの内陸部で深さも今回の10kmに対し126kmと深かったことから同列に扱うのは難しい。

地震活動の活発なパプアニューギニアでは2019年に入ってからM6以上の地震が今回で7回目と多発しており、2018年にもM6以上が16回、M7以上大地震は2018年02月26日のM7.5、2018年10月11日のM7.0と繰り返し発生している。

こうした点からすれば今回の地震は規模こそM7.5と大きかったとは言え、強い特徴を持つ地震だったとは言えないが、強いて挙げれば震源の深さが10kmと非常に浅かった点が目立つ。

というのもパプアニューギニアにおける大地震は前述の通り05月07日のM7.2が深さ126kmであった他、深さ20~50km程度である場合と100~150km程度である場合が多く、今回のように浅い場所での大地震はそれほど頻繁ではないためだ。

直近では今回より南東で発生していた2015年05月08日のM7.1(深さ10km)まで遡る必要があり、その前は今回より西側で記録された2002年09月09日のM7.6(深さ13km)であるため、パプアニューギニアにおける浅い位置で起きた大地震という点で比較的珍しいと言え、過去の事例とその後について考察しておく必要があるだろう。
 

太平洋プレート沿い、千島列島でもM8クラスが

太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界付近深さ10kmでで発生した今回の地震だが、付近で過去に深さ20km以下で起きてきたM7以上大地震は7回。

まずこれらについてその後2ヶ月以内に世界における大地震発生の傾向を追跡したところ、複数回で同じ太平洋プレートに沿った場所が揺れていたことがわかった。

1913年05月にパプアニューギニアでM7.2の大地震が起きると約1ヶ月後にトンガでM7.7、1934年02月のパプアニューギニアM7.1では5日後にニュージーランドM7.2が発生しそれから19日後に今度はソロモン諸島でM7.0が記録されていた。

また1944年05月のパプアニューギニアM7.1でも1ヶ月後に太平洋プレートの反対側、メキシコでM7.0の大地震。

太平洋プレートの境界沿いである千島海溝でも強い地震が観測された例がある。1918年10月28日にパプアニューギニアで今回と似た条件下におけるM7.2が発生すると、12日後に千島列島でM7.8というM8クラスが起きていたのである。

この時はパプアニューギニアでの地震から50日前、1918年09月08日にM8.0の択捉島沖地震が記録されていたことから、太平洋プレート沿いで大地震が相次いでいたのだ。

これらの事例からは日本における太平洋プレート沿い、伊豆・小笠原海溝や日本海溝、それに千島海溝周辺の震源への注意が必要と言えるが、ではパプアニューギニアにおける事例の後、国内でM5、M6台の地震がこうした地域で多発していたのだろうか。
 

伊豆・小笠原海溝と日本海溝、千島海溝沿いで起きていた地震

ここでは今回のパプアニューギニアと似た大地震が現地で起きてから2ヶ月以内に国内で発生していたM6クラス以上の地震について、同じ太平洋プレート沿いと言える伊豆・小笠原海溝や日本海溝、それに千島海溝といった場所における発生履歴を1922年以降の4例について追跡してみた。

すると、伊豆・小笠原海溝、日本海溝、千島海溝それぞれに近い場所でいずれもM6クラス以上の地震が観測されていたことがわかった。

1934年02月のパプアニューギニアM7.1では5週間後から7週間後にかけて福島県沖M6.2・震度4、房総半島南方沖M5.9・震度3、鳥島近海M6.2・震度3。

1941年01月のパプアニューギニアM7.4では2月初めに福島県沖M5.7・震度4、千葉県東方沖M5.9・震度4、苫小牧沖M5.8・震度3と続き3月中旬になると三陸沖でM6.2とM6.1が連発していた。

また1944年05月のパプアニューギニアM7.1では2週間以内に青森県東方沖でM6.0とM5.6、鳥島近海でM5.8が発生、更に2週間の間に今度は茨城県南部でM6.0・震度4と十勝沖M5.7と強い地震が目立っていた。

1955年10月のパプアニューギニアM7.3の時はそれほどでもなかったが、9日後に秋田県沿岸北部でM5.9、その2週間後に三陸沖でM5.8とやはり日本海溝沿いでの地震に繋がっていたのである。
 
※画像はU.S. Geological Surveyより。