190602-009硫黄島近海M5.7とその後の国内M7クラス

伊豆・小笠原でやはり地震、硫黄島近海M5.7と今後の「国内M7クラス」


 
2019年06月02日の05:14に硫黄島近海でM5.7・震度1の地震が発生した。今回の地震は4日前のエルサルバドルM6.6において伊豆・小笠原における強い地震の可能性という形でシグナルが出ていたが、今後についても要注意と言えそうだ。国内M7クラス以上の事例が複数であったためである。

 

「やはり」起きた伊豆・小笠原での地震

無感地震を含めれば頻繁に地震が起きている硫黄島近海だが、有感地震の履歴は多くない。直近では2019年04月12日にM5.8・震度1が記録されており、2019年としては今回が3回目だが、1922年以降の有感地震発生数はわずか63回に過ぎないのだ。

比較的珍しい有感であったと言っていい今回の地震だが、伊豆・小笠原に対しては明確なシグナルが最近点灯したばかりであったことから、十分に予想の範囲内であった。

これは05月30日のエルサルバドルM6.6において、過去データからその後伊豆・小笠原での地震が予想されていたというもの。「中でも注目したいのが伊豆・小笠原海溝沿いにおける地震が目立っていた」と指摘すると共に、エルサルバドルからわずか15時間後に硫黄島近海でM6.2が発生していた例も紹介していたのである。

中米・南米の太平洋寄りからの伊豆・小笠原の事例は03月にも見られていた。03月01のペルーM7.0大地震の際、過去の類似事例から「追跡してみると興味深い傾向性が浮かび上がった」としてその後の伊豆・小笠原海溝沿いにおける地震を予測したところ、2日後の03月03日に硫黄島近海でM5.4が起きたのだ。

震源の位置や深さによって傾向性は様々であるが、中米・南米の太平洋側地震からの伊豆・小笠原という流れは注目に値するだろう。
 

5回中3回でその後国内M7クラスが発生

今回の震源については、深さが気象庁とUSGSで異なって記録されている。気象庁の速報値では深さ約120kmとされているが、USGSではこれを48kmと観測しているのだ。

過去事例における観測データと整合性を取るため今回はUSGSを元に今後の傾向性を追跡してみることにする。

まず今回の震源付近では2018年以降、地震が多発しているのが目立つ。2018年以降、今回の震源付近ではM5以上が15回も起きており、2018年08月17日のM6.3も今回の震源付近であった。

しかし、これまでの地震は震源の深さが10~20km程度が多かったため、今回のM5.7はこれまでよりも一段深い場所で発生した点が特徴と言えるだろう。

では、20世紀以降、今回の震源付近でかつ同様の深さで起きてきた地震には、何らかの傾向性は見られてきたのだろうか。

硫黄島近海から2ヶ月以内のM5以上を抽出してみると、際立っていたのが伊豆・小笠原における再度の強い地震と、関東から東北にかけての太平洋側、日本海溝沿いでの地震であった。

今回の震源に極めて近かった5回の事例では、硫黄島で再びM6クラスが発生していたのが2回、他にも小笠原諸島西方沖や鳥島近海、父島近海といった場所でいずれもM6クラスが起きていたのが伊豆・小笠原における続発地震の傾向であった。

次に関東から東北地方にかけての傾向としては、福島県沖から宮城県沖、岩手県沖、青森県東方沖それに三陸沖と地震活動が活発な震源におけるM5以上が多発する傾向が見られていたが、実は今回の硫黄島近海M5.7周辺では、これら以上に際立った特徴をその後の国内発震で見せていた。

5回中3回で、その後2ヶ月以内に国内特に伊豆・小笠原と日本海溝沿いでのM7クラス以上に繋がっていたのだ。

2015年04月の事例では12日後の与那国島近海M6.8・震度4を経て宮城県沖でM6.8・震度5強、そして05月には小笠原諸島西方沖でM8.1・震度5強という巨大地震。

2010年10月の際には1ヶ月後に小笠原諸島西方沖でM7.1・震度3が、その3週間後には父島近海でM7.8・震度4というM8クラスが発生。更にその後、東日本大震災が起きていたことも無視は出来ない。

残る一つは1987年12月のケースだが、この時はわずか2日後に千葉県東方沖でM6.7・震度5のM7クラスが記録されていた。千葉県では06月01日にも千葉県北東部で震度4を観測する地震が起きている他、首都圏では8日間に3回もの震度4以上が続いていることから、今回の硫黄島近海で直近での関東・東北太平洋側及び中期的には伊豆・小笠原を含めたM7クラス以上の発生に留意しておく必要があるだろう。
 
※画像はUSGSより。