190616-009ニュージーランドM7.2と伊豆・小笠原海溝沿い地震

ニュージーランド北部沖合でM7.2、今後地震活動活発化する場所は


 
2019年06月16日の日本時間07:55にニュージーランド北部沖合でM7.2の大地震が発生した。今回の震源付近で同規模の地震が起きた場合、過去の事例では同じ太平洋プレート沿いで世界的に地震活動が活発化していた。では、日本国内ではどうだったのだろうか。

 

ニュージーランド北部沖合でM7超え大地震

世界でM7以上の大地震が観測されたのは05月26日のペルーM8.0以来3週間ぶりで、2019年としては今回が6回目。

ニュージーランドでは2016年09月に今回の震源の南側でM7.0、また2016年11月に更に南側でM7.8が起きていたが、M7を超える規模の地震はそれら以来であり、地震活動が活発な一帯としても今回の地震は比較的珍しい規模であったと言える。

だが、太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界に近い今回の震源付近では、2018年後半から数回、M6台の地震が記録されていた。

2018年07月には今回の震源の深さ34kmに近い深さ35kmでM6.0が、また2019年に入ってからも03月に深さ29kmでM6.4の地震が発生していたのだ。

今回の地震がこれらの地震に連なっていた可能性は拭えず、M7.2以降も複数回のM5台に加えM6.3と規模の近い地震も起きていることから、余震活動が収まっていくかどうか予断を許さない状況である。
 

世界では太平洋プレート沿いで目立っていた地震活動

では、今回の震源に近い場所で過去にM7以上大地震が起きた際、その後の地震はどのような傾向を示してきたのだろうか。

深さまで含め今回の震源に近い位置でこれまでに発生してきたM7以上大地震9例について、その後2ヶ月以内の世界M7以上を追跡してみると、太平洋プレート沿いに大地震が起きる傾向があったようだ。

トンガやパプアニューギニア、それにインドネシアなどニュージーランドからほど近いエリアで2ヶ月以内にM7以上を観測したケースが9例中6例。そのうち3回はM7.5以上のM8クラスであった。

1919年にはニュージーランドから13日後にトンガでM8.1、1983年は1.5ヶ月後にパプアニューギニアでM7.6、そして1989年のケースではわずか9日後にニュージーランドから南側に当たるマックリー島でM8.2がそれぞれ起きていたのである。

こうした流れは太平洋プレートの境界に近い日本国内でも見られており、1919年にはニュージーランドからトンガM8.1と続いた3日後に十勝沖付近でM7.2、1978年にはニュージーランドから1.5ヶ月後に択捉島南東沖でM7.0とM7.3が連発、といった形で大地震に繋がっていた。

だが、今回のニュージーランド付近における大地震からの傾向性を国内地震に絞って更に掘り下げると、もうひとつ要注意の場所があることがわかった。
 

日本国内でも同様の傾向、M7超えも

ニュージーランドにおける今回の震源付近でM7.0以上の大地震が発生した際の、その後2ヶ月以内の国内M6クラス以上について抽出してみると、9例中6例で太平洋プレート境界付近である伊豆・小笠原海溝付近での地震が見られていたのである。

1981年12月の事例では6日後に父島近海でM6.3、1983年の際にも4日後に八丈島東方沖でM5.6、2008年にはニュージーランドの翌日に鳥島近海でM5.6と関係性の深さを窺わせる展開もあったが、9回中3回ではM7クラス以上の強い地震に繋がっており、規模の大きな地震にも警戒しておく必要性があることを示している。

1968年にはニュージーランドから11日後に小笠原諸島西方沖でM7.3、1978年にもニュージーランドから5週間後に小笠原諸島西方沖でM6.6、1989年は1ヶ月後に鳥島近海でM6.6、といった具合である。

他にも、伊豆・小笠原海溝付近以外で記録されていた国内M7クラス以上は浦河沖M6.8や宮城県沖M6.7、択捉島南東沖M6.7など複数に及んでいるが、やはり太平洋プレート境界沿いの日本海溝、千島海溝付近であることから、今回のニュージーランドM7.2においては、今後太平洋プレート境界に沿ったエリア、中でも伊豆・小笠原に要注意と言えそうだ。
 
※画像はU.S. Geological Surveyより。