190727-009フィリピンM5以上連発とその後の福島県沖・伊豆・小笠原海溝沿い地震

フィリピン台湾間M5連発後の過去事例、福島県沖と伊豆・小笠原海溝地震


 
2019年07月27日にフィリピン北部でM5を超える地震が相次ぎ、複数の死者が出ていると報じられている。過去の類似事例の際、その後の国内発震に何らかの傾向性は見られてきたのだろうか。

 

フィリピン・台湾間でM5以上が連発

一連の地震は日本時間07月27日の午前中にM5以上が4回発生した。

07月27日05:16 M5.4 フィリピン
07月27日08:37 M5.9 フィリピン
07月27日10:24 M5.7 フィリピン
07月27日19:11 M5.1 フィリピン

今回の地震はフィリピン最北端の島付近で起きた、という形でNHKを含む複数のメディアが報じているが、位置的には台湾とフィリピンの中間地点と言っていい場所であり、震源はM5以上に関してはいずれも10kmと浅かった。

台湾にもほど近いことから琉球海溝、南海トラフと続くラインへの影響は過去の類似事例で確認されるのか、フィリピン海プレートの境界沿いである相模トラフや伊豆・小笠原海溝付近及びその他への影響に何らかの傾向性は見られてきたのだろうか。
 

至近事例では福島県沖と伊豆・小笠原海溝でその後M6クラス

フィリピンと台湾の間で過去に起きてきたM5以上の地震について、今回の震源からごく近い場所で発生していた2回の地震と、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界にかけての一帯で記録されてきた、今回同様の連発地震について、その後日本国内でどのような地震に繋がってきたかを追跡してみた。

まず今回の震源至近で過去に発生したM5以上は2回。1985年06月のM5.2と2013年04月のM5.8であった。これらの地震後に日本国内で起きていた揺れのうち共通していたのは共に福島県沖でM6を超える規模の地震が観測されていたこと。

1985年には台湾・フィリピン間M5.2の1.5ヶ月後に福島県沖でM6.4・震度4。2013年のケースでは5週間後にM6.0・震度5強と共にM6・震度4を超える地震が福島県沖で起きていた。

福島県沖はフィリピン海プレート沿いではないことや、事例が2つと乏しいことから傾向性を示しているとまでは言えないが、もうひとつ、フィリピン海プレートの東側、伊豆・小笠原海溝付近でも2つのケース両方でM6クラスの地震を記録していた。

1985年の際には1ヶ月後に小笠原諸島西方沖でM5.8、2013年の時は11日後に鳥島近海でM6.4。更にこの時はその後マリアナ諸島におけるM7.3大地震にも繋がっていた。
 

連発事例でも目立っていた福島県沖と伊豆・小笠原海溝沿い

次に台湾・フィリピン間における今回の震源に比較的近い、フィリピン海プレート西側の境界付近で今回同様、短期間の間に複数回のM5以上を記録した事例について追跡してみよう。

これまでに見られてきた類似事例は6回。前述した福島県沖ではそのうちの3回でやはり、M6クラスの地震が発生していた。2014年には1ヶ月後にM6.0・震度4、2006年にはわずか2日後にM6.0・震度3、1958年には2ヶ月後にM5.8・震度3といった具合である。

また2008年のケースでは福島県沖のすぐ南側にあたる茨城県沖でフィリピン・台湾間から1ヶ月後にM7.0・震度5弱の大地震が引き起こされていた事例もある。

伊豆・小笠原海溝沿いはどうだろうか。こちらは6例中4例でM6クラス以上の地震が起きていた。

1958年02月のケースではわずか5日後に小笠原諸島西方沖でM6.2。1959年の際も小笠原諸島西方沖では1ヶ月後にM6.4。

1996年と2006年の事例では鳥島近海が揺れていた。前者ではフィリピン・台湾間での連発から4日後に鳥島近海でM5.6、後者では2週間後に鳥島近海でM6.8。

フィリピンと台湾の間と言ってもいい場所で起きた今回のM5以上連発地震では、至近における過去事例及び連発していた事例ともに、福島県沖と伊豆・小笠原海溝が目立っていたことから、これらの震源については今後のM6クラス以上に注意した方が良さそうだ。
 
※画像はU.S. Geological Surveyより。