190821-009奄美大島近海アウターライズと南海トラフ地震

奄美大島近海でM5.1地震、南海トラフ震源に波及した事例は


 
2019年08月20日の21:52に奄美大島近海でM5.1・震度2の地震が発生した。今回の地震は有感地震の多い奄美大島近海としても珍しい規模であったが、同時にフィリピン海プレート側で起きた地震であった点が注目される。類似地震における南海トラフ震源への波及事例は。

 

奄美大島近海で25年ぶりの浅いM5以上有感地震

奄美大島近海では17:20と18:28にもM4.8・震度3とM3.4・震度1の地震がそれぞれ観測されており、02月19日にM3.4~M4.1・震度1~3の揺れが相次いで以来半年ぶりの同日内3回有感地震発生であった。

今回の奄美大島近海M5.1は日本国内におけるM5以上としては08月15日の青森県三八上北地方M5.5・震度4以来6日ぶりであったが、奄美大島近海におけるM5以上の有感地震としては2017年11月24日のM5.4・震度1以来1年9ヶ月ぶりであり、地震の多い奄美大島近海とは言え珍しい規模であったことがわかる。

また今回の地震は震源の深さが約10kmであったが、奄美大島近海で深さ20km以下のM5以上有感地震が観測されたのは1994年10月25日のM5.1・震度1まで25年間遡らねばならない。
 

海溝の外側、フィリピン海プレートで

だが、今回の奄美大島近海M5.1は25年ぶりの浅いM5以上であったという以上にその震源位置が特徴的であった。

地震が頻発するユーラシアプレート側ではなくフィリピン海プレート側、海溝の外側で発生した地震であったからである。

そのため、奄美大島近海で起きた地震であったものの、震源は薩南諸島東方沖に近かった。薩南諸島東方沖は1922年以降、これまでに7回の有感地震しか記録されておらず、最後に発生したのは2014年03月26日のM5.3・震度3。およそ5年も遡らねばならない。

更にそのうちの3回は1932年と1940年、前回の南海トラフ巨大地震前であり、1950年と1954年、1962年にそれぞれ1回ずつ揺れた後、2014年まで半世紀沈黙していたのだ。こうした場所近くで今回、M5を超える規模の地震が起きたのは次の南海トラフ巨大地震と何らかの関係があるのだろうか。過去の事例に照らしてみることにする。
 

南海トラフで地震増える傾向は

無感地震まで含めると深さ20km以下で今回の震源周辺では計5回の事例が記録されてきたが、その後2ヶ月以内の発震状況を追跡してみると、やはり南海トラフに関わりの深い場所におけるM5以上が5例中4例で発生していた。

1956年06月の事例では1週間後に三重県南東沖でM5.1、その後も日向灘でM5.1。日向灘では1977年03月の際にも1ヶ月後にM5.2が起きており、2014年03月の時には伊豆大島近海で震度5弱の揺れを伴うM6.0が、2017年11月のケースでは翌月、日向灘の隣に当たる九州地方南東沖でM5.2が発生していた。

1977年の例では1922年以来、有感地震を6回しか記録していない本州南方沖でもM5.8の地震が震度1ながら起きるなど、奄美大島近海・薩南諸島東方沖付近の浅い震源が揺れた場合、その後南海トラフ周辺での地震が目立つ傾向性は否めない。
 
※画像はU.S. Geological Surveyより。