190902-009フィジーM6.7とその後の南海トラフ

フィジーでM6.7地震、前回同様南海トラフでの地震に繋がる可能性は


 
2019年09月02日の日本時間00:54にフィジーでM6.7の地震が発生した。フィジーでは2018年にもM8.2の巨大地震など強い地震が複数回起きていたが、当時南海トラフに注意としたところその後愛知県東部や紀伊水道で震度4の地震が観測された。

 

フィジーでM6.7、これまでの特徴は

世界でM6.5以上の地震が観測されたのは08月28日の南大西洋・南サンドイッチ諸島でのM6.6以来5日ぶりで、2019年としては今回が25回目。2018年に25回目を記録したM6.5以上の地震は2018年09月10日のニュージーランドM6.9であったことから、以前ほどではないにせよ引き続き2019年は前年より若干ハイペースで強い地震が起きていると言える。

今回のフィジーM6.7は太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートの境界付近、深さ604kmという非常に深い場所で発生したが、付近では2018年にも4回のM6.5以上が起きており、いずれも深さ500km以上であった。

また2018年08月と09月にはM8.2とM7.9というM8クラスの巨大地震も記録されており、今回の地震はこうした巨大地震の余震としての意味合いがあった可能性は否定出来ない。

2018年08月19日 M8.2 フィジー(深さ600km)
2018年09月07日 M7.9 フィジー(深さ670km)
2018年09月30日 M6.7 フィジー(深さ550km)
2018年11月19日 M6.8 フィジー(深さ540km)

更に20世紀以降、フィジー近辺では数多くのM6.5以上を観測してきたが、いずれも深さ300km以上の深発地震であったことから、今回のM6.7もフィジーにおける過去の地震に照らせば、それほど特徴的であったというわけではないと言って良いだろう。
 

フィジー深発地震後の南海トラフ・琉球海溝沿いの揺れは前回のM8.2でも

ではフィジーにおける深発地震後に日本国内の地震に何らかの傾向性は見られてきたのだろうか。

2018年08月19日にフィジーでM8.2の巨大地震が発生した際に、付近でこれまでに起きたM7以上大地震とその後の国内発震から「琉球海溝から南海トラフにかけての一帯で強い地震が発生する傾向がある」と指摘していた。

過去のケースでは日向灘M6.3・震度4や大隅半島東方沖M6.0・震度4、それに三重県北部M5.5・震度4やM7を超える紀伊半島南東沖地震に繋がっていたからである。

そして南海トラフから琉球海溝にかけての一帯に注意を促した2018年08月の際にも、09月中旬に沖縄本島近海でM6クラスが6回相次いだ他与那国島近海でも2度のM6クラスが、更に南海トラフに関連する震源でも愛知県東部M5.0・震度4や紀伊水道M5.4・震度4といった地震が09月から11月にかけて発生していた。

やはり揺れた、という形であったが、それでは今回のフィジーM6.7もこうした流れを踏襲すると考えてよいのだろうか。より詳しく見てみることにする。
 

今回の震源ごく近くの事例でもやはり揺れていた南海トラフ

今回のフィジーM6.7は震源の位置が2018年に発生した上記4例から多少、南側にずれた場所であった。そこで、20世紀以降、今回の震源にごく近い場所で起きてきたM6.5以上の地震5例についてその後2ヶ月間の国内M5以上について追跡してみると、やはり南海トラフに関連の深い震源で強い地震が観測されていたことがわかった。

1948年01月のフィジーM7.1では1.5ヶ月後に東海道南方沖M5.7・震度2と伊勢湾M5.2・震度3が、2004年11月のフィジーM6.6では3週間後に薩摩半島西方沖でM5.1・震度3とM5.3・震度3がそれぞれ記録されていたなど5例中4例で該当する地震が起きていたのである。

中でも1957年と1996年の事例は興味深い。1957年09月28日にフィジーでM7.4が発生した時は、そのわずか20時間前に三重県南東沖でM5.6が起きており、1996年10月19日のフィジーM6.9においても三重県南東沖ではその22時間前にM5.6が観測されていたなど共通点があったばかりか、1996年の事例ではその直後に今度は日向灘でM6.9・震度5弱とM6.7・震度5弱がそれぞれ発生していたのである。

また5例中唯一、南海トラフで地震が起きなかった1972年01月のケースでも1ヶ月後には八丈島東方沖でM7.2の八丈島東方沖地震に繋がっていた。これらの点からは今回も琉球海溝から南海トラフ沿いでの地震に留意しておく必要があると言えるだろう。
 
※画像はU.S. Geological Surveyより。