190916-009硫黄島近海M5.4とその後の千葉・茨城地震及び伊豆・小笠原地震

硫黄島近海でM5.4地震、浅い震源後の千葉・茨城M5以上


 
2019年09月16日の09:29に硫黄島近海でM5.4・震度1の地震が発生した。硫黄島近海では震源の深い地震も数多く起きているが、今回は約10kmと浅い位置であった。こうした地震における傾向性としては伊豆・小笠原海溝から日本海溝に至る場所、千葉や茨城におけるM5以上が起きていたケースが目立つほか、伊豆・小笠原でM7クラスへと繋がっていた事例もある。

 

硫黄島近海でM5.4、最近の地震傾向性

日本国内でM5以上を記録した地震としては09月07日の青森県東方沖M5.0・震度3以来9日ぶりで、2019年としては56回目。また硫黄島近海における有感地震としては06月02日のM5.7・震度1以来3.5ヶ月ぶりであった。

今回特徴的だったのは、深さ約10kmと浅い位置で起きた地震であったという点だ。というのも硫黄島近海で震度1以上を観測した直近4回の地震いずれも、深さ69~547kmと今回よりも深い場所で発生していたためで、深さ20km以下で起きた有感地震としては2019年02月15日のM4.9・震度1まで遡る必要があり、深さ20km以下のM5以上有感地震としては2017年09月12日のM5.9・震度1以来2年ぶりとなるのである。

更に、硫黄島近海では1922年以降、今回を含め79回の震度1以上を記録してきたが、そのうち、深さ20km以下であったのは今回を含めわずか6回に過ぎない。従って、今回の地震は硫黄島近海浅い位置で発生した震度1以上という条件に当てはまる比較的珍しい地震であったと言ってよいだろう。
 

伊豆・小笠原に出ていたシグナルは

今回M5.4という規模で発生した硫黄島近海における地震であったが、伊豆・小笠原におけるこうした地震に対しては最近、シグナルが出ていた。

07月30日の八丈島東方沖M5.9・震度3で、過去の6事例中5例がその後伊豆・小笠原でのM6クラス以上に繋がっていた。

硫黄島近海M5.4はM5.5以上のM6クラスにわずかに及ばなかったものの近い規模で発生したことから該当地震であった可能性が否定できないが、同時に今後のM6クラス以上続発の恐れも拭えない。では、今回の硫黄島近海M5.4に近い条件でこれまでに起きてきた地震は、その後国内発震にどのような傾向性を見せてきたのだろうか。
 

千葉・茨城M5以上の可能性

今回の震源は伊豆・小笠原海溝に沿った位置であったが、南側に多少離れた場所では2018年07月12日にM5を超える地震が2回連発していた。

どちらも震度1未満の無感地震であったが、この時、類似事例における傾向性として紹介していたのが千葉・茨城における続発地震であった。

では、07月12日のM5超え連発後に千葉・茨城におけるM5以上は起きていたのだろうか。やはり起きていた。09月05日に茨城県沖でM5.5・震度4が発生していた他、隣の福島県沖でも07月31日のM5.8・震度4と08月11日のM5.0・震度4がそれぞれ観測されていたのである。

2018年07月の事例は今回の震源から南側にずれた位置で発生していたが、それでは今回の震源にごく近い場所で起きてきた深さ20km以下のM5以上では同様の傾向性を示していたのだろうか。

ここでは6事例についてその後2ヶ月間の千葉・茨城におけるM5以上について追跡したところ、同様の傾向性が見られていたことがわかった。

6事例中5事例で、茨城県沖や茨城県南部、茨城県北部、それに千葉県東方沖や千葉県北東部といった震源でのM5以上、震度3~5弱といった地震が発生していたのである。
 

伊豆・小笠原海溝沿いM6.6に繋がった事例も

千葉県や茨城県といった震源は伊豆・小笠原海溝から日本海溝に至るライン上にある場所であるが、伊豆・小笠原海溝沿いでの強い地震へと繋がっていく可能性はないのだろうか。

そこで、次に今回の類似事例6例について、その後の伊豆・小笠原海溝沿い地震を追跡してみたところ、こちらも6例中5例でM5以上が、そのうち4例ではM6クラス以上が発生していたことがわかった。

中には父島近海M6.6とM7クラスであったケースもあることから、伊豆・小笠原海溝沿いから日本海溝にかけての一帯における地震に留意しておく必要があるだろう。
 
※画像は気象庁より。