2019年11月14日父島近海M4.9深発地震と伊豆・小笠原での続発地震

父島近海深さ430kmでM4.9の地震、前回深発地震では日向灘M6.3・震度5弱も


 
2019年11月14日の08:15に父島近海でM4.9・震度1の地震が発生した。深さ430kmの深発地震であり、父島近海で深さ300km以上の有感地震となれば10年ぶりとなる。前回の深発地震ではその後日向灘M6.3・震度5弱や鳥島近海M6.2・震度4が起きていたが、今回の震源付近では過去、どのような傾向性を示してきたのだろうか。

 

父島近海10年ぶりの深発有感地震

2019年11月14日08:15 M4.9 震度1 父島近海(深さ約430km)

父島近海における有感地震としては10月23日のM4.7・震度2以来3週間ぶりで2019年としては今回が9回目。

しかし、深さ300km以上における有感地震としては2009年05月01日に深さ418kmで起きたM5.5・震度1まで10年遡る必要があり、1922年以降今回が6回目であることから、非常に珍しい有感地震であったと言える。

ただし、父島近海では04月12日にも深さ550kmでM5.6・震度1が発生と速報で伝えられたものの、その後硫黄島近海M5.8・震度1であったとされたため、今回の地震が父島近海における10年ぶりの深さ300km以上有感地震であったかについては、確定値を見定める必要がある。

父島近海では10月以降、M4.5以上のM5クラスが数回発生しており、直近では11月03日にもM4.9の無感地震が観測されていた他、前述した前回の有感地震である10月23日のM4.7・震度2以外にも10月19日のM5.410月08日のM3.9・震度1が起きていた。

だが、これらの地震はいずれも深さ10~110km台と今回の430kmより浅かったことに加え、震源の位置も異なっていたことから本日のM4.9・震度1の類似地震と見做すことは出来ない。

前回の深発地震であった04月12日のM5.6は今回より多少南側で発生していたが、この時その後の傾向性として伊豆・小笠原における地震と南海トラフ関連震源での揺れに言及していた。

では、04月12日以降こうした地震が起きていたのかと言えばやはり起きていたのだ。1ヶ月後に日向灘でM6.3・震度5弱、2ヶ月後に硫黄島近海でM5.7・震度1と鳥島近海M6.2・震度4がそれぞれ記録されていたのである。
 

今回の震源付近に見られる傾向性とは

今回の震源に更に近い場所が揺れていた過去の事例でもこのような傾向性は見られてきたのだろうか。ごく近い場所で発生した9事例について、南海トラフと伊豆・小笠原における続発地震を追跡してみると、南海トラフでは9例中6例で2ヶ月以内にM5以上、そのうち4例が1ヶ月以内に発震という結果であった。中には翌日日向灘でM6.0・震度4が起きた1980年12月の事例や、3週間後に山口県中部でM6.6・震度5強が起きた1997年06月のケースも含まれている。

次に伊豆・小笠原海溝沿いではどうだったかと言えば、9事例中7例で2ヶ月以内にM5以上が、そのうち6例が1ヶ月以内の発震という結果であった。こちらには1984年02月のように3週間後鳥島近海でM7.6・震度4の大地震が観測されていた例が含まれていた。

特に伊豆・小笠原に対しては11月13日の大阪府北部M3.2・震度2の地震の際、その後硫黄島近海における地震に繋がっていく傾向性があると紹介したばかりであるのに加え、11月05日の伊豆大島近海4連発においても伊豆・小笠原に続いていく傾向性があると指摘しており、更に11月03日の父島近海でも付近での連発可能性が示唆されていたことから、引き続き強めの地震に注意していく必要があるだろう。
 

追記:11月14日08:15に父島近海で発生したM4.9・震度1の地震は気象庁の確定値で08:14小笠原諸島西方沖M4.7・震度1となった。小笠原諸島西方沖で有感地震を観測したのは10月19日M4.5・震度1以来で2019年としては今回が4回目。
 

※画像は気象庁より。