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2019年12月19日青森県東方沖M5.5・震度5弱解説

青森県東方沖M5.5・震度5弱の震源付近では前後に大地震の事例も複数


 
青森県東方沖としては5年4ヶ月ぶりであった今回のM5.5・震度5弱地震は東北地方太平洋沖地震後の空白域で発生した地震であった。過去に付近で起きた事例では、大地震の前後に揺れていたケースが複数見られ、1週間以内のM5以上や1ヶ月以内のM6クラスが北海道から東北地方で発生していた例もあった。

 

東日本大震災以降のM5以上空白域でM5.5・震度5弱の地震

2019年12月19日15:21 M5.5 震度5弱 青森県東方沖(深さ約50km)

日本国内で震度1以上を観測したM5.5以上の地震としては12月05日の千島列島M5.8・震度1以来2週間ぶりで2019年としては今回が37回目。9月・10月には記録されていなかったが、11月下旬以降今回が4回目と日本国内及びその周辺で強い地震が増加傾向にある印象を与えている。

東北地方でも11月29日に三陸沖でM5.6・震度312月11日には福島県沖でM5.3・震度3とM5.0を超える規模の地震が相次いでいる。

青森県東方沖に関しては2019年02月26日に政府の地震調査委員会が発表した「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」の中で「青森県東方沖及び岩手県沖北部」としてプレート間巨大地震がM7.9程度の規模で30年以内に5~30%、またひとまわり小さいプレート間地震がM7.0~M7.5程度の規模で30年以内に90%程度以上と高い確率で予測されている。

他にも日本海溝沿いでは沈み込んだプレート内の地震がM7.0~M7.5程度の規模で30年以内に60~70%の確率で、今回は陸側に近い場所で起きた地震であったが海溝寄りでは青森県東方沖から房総沖にかけMt8.6~9.0の規模のプレート間地震が30年以内に30%程度の可能性で起きるとされている。

気象庁は今回の地震を2011年03月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)における余震と考えられる、と発表しているが、大震災以降に発生したM5.0以上の地震をマッピングすると、今回の震源付近は空白域に当たっており、強い地震が起き得る場所であった。

青森県東方沖では大震災以降、沖合を中心に20回以上のM5を超える地震が記録されてきたが、これまでの最大は2018年01月24日のM6.3でありM6.5を超えるM7クラス以上はまだ起きていない。

M9.0の超巨大地震で割れ残った南北でM7を超える大地震が発生する可能性は大震災直後から指摘されていることから、今回の地震が周辺にどのような影響を与えるか、注視していく必要があるだろう。
 

東北地方太平洋側にいくつも出ていたシグナル

今回の地震に際しては、最近起きた地震で東北地方太平洋側に対しいくつものシグナルが点灯していた。

12月11日に福島県沖で発生したM5.3・震度3では、過去の類似事例から千葉・茨城など南側の関東地方より「北側の日本海溝沿いそれに千島海溝沿いで2ヶ月以内のM5以上地震の方が多かった」とし「M6クラス以上が6例中5例で発生」と指摘していた。

また同じ12月11日に鳥島近海でM5.9の地震が起きた際にも、過去の事例から「7例中5例でM6クラス以上へと繋がっていた東北地方太平洋側への注意を払っておく必要性が最も高い」と述べていた他、11月に発生していた複数の地震でも日本海溝沿い・東北地方太平洋側におけるM5以上あるいはM6クラスへの注意を促していた。
 

大地震前後に目立っていた今回の震源付近

では、今回の震源付近が過去に同規模で揺れた際にはその後どのような地震が引き起こされてきたのだろうか。

青森県東方沖・今回の震源付近で深さ30~70kmで起きたM5.0以上の5事例について追跡してみると、最も顕著に見られた傾向性は前後に大地震が起きていたという点であった。

1968年05月17日にM5.9・震度3の地震が青森県東方沖・今回の震源付近で発生する前日には同じ青森県東方沖を震源としたM7.9・震度5の十勝沖地震が、また1994年12月30日の青森県東方沖M5.6・震度4の2日前にはM7.6の三陸はるか沖地震がそれぞれ起きていた。

今回の震源付近後に大地震が発生していた例としては、1969年06月21日に今回の震源付近が揺れた際に7週間後の08月12日に北海道東方沖を震源とするM7.8の色丹島沖地震が起きていた事例があり、合わせると今回の震源付近で同規模の地震が記録されると5例中3例が命名地震の前後であったのだ。更に2001年04月03日の類似地震でも05月25日に択捉島南東沖でM6.9が発生しており、5例中4例でM7クラス以上が登場している。

直前の大地震による余震的な意味合いで揺れた可能性のあるケースを除いた3例中2例でも、その後2ヶ月以内にM7.8色丹島沖地震とM6.9択捉島南東沖が起きていたことから、今回も強い地震へと繋がる可能性も視野に入れておく必要があるだろう。

大地震へと連ならない場合でも、直近で周辺におけるM5以上あるいはM6クラスが発生する可能性も否定は出来ない。3例中全てで1ヶ月以内にM5以上の地震が千島海溝沿いから日本海溝沿いにかけての一帯で起きていた他、1ヶ月以内にM6クラスが観測されていたケースも3例中2例であったためだ。

1969年06月の事例では日高地方東部M5.5・震度3と三陸沖M5.7・震度1が、2001年04月の例でも釧路沖M5.6・震度3や根室半島南東沖M5.9・震度4がそれぞれ1ヶ月以内に発生していたのである。

青森県東方沖における類似事例から数日以内にM5以上が起きていたケースも見られ、1969年06月には2日後に福島県沖でM5.2・震度3の地震が記録されていた。
 

※画像は気象庁より。