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2018年06月18日大阪府北部でM6.1、16世紀に中央構造線沿いに大地震3連発起こした断層帯付近で

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06月18日の07:58に大阪府北部でM6.1・震度6弱の地震が発生した。中央構造線断層帯沿いで大地震が連鎖した断層帯のごく近くで起きた地震であることや南海トラフ巨大地震の前触れとも考えられる西日本における内陸地震であったことなど知っておくべき情報の一覧である。

大阪府北部でM6.1が発生、国内1年半ぶりの震度6弱以上

06月18日に大阪府北部でM6.1・震度6弱の地震が発生した。日本国内でM5.5を超える地震が起きたのは06月12日の大隅半島東方沖M5.5・震度4以来6日ぶり(関連記事)、M6を超える地震としては05月06日の八丈島東方沖M6.0(関連記事)以来。また国内で震度6弱以上を観測したのは2016年12月28日の茨城県北部M6.3・震度6弱以来1年半ぶりとなる。

大阪府北部で有感地震が観測されたのは2017年11月02日のM2.8・震度1以来7ヶ月ぶりのことで、過去90年間で158回目と比較的珍しい震源で起きた地震だったと言える。

2017年には一度も起きていなかった震度6を超える揺れが関西の人口密集地で発生した衝撃は大きい上に、その後も有感地震が数多く起きていることから、現時点では今回の地震が本震であったと断言することは出来ず、厳重な警戒が必要だ。

06月18日07:58 M5.9 震度6弱 大阪府北部
06月18日08:08 M3.5 震度2  大阪府北部
06月18日08:18 M3.1 震度2  大阪府北部
06月18日08:31 M2.9 震度1  大阪府北部
06月18日08:33 M2.4 震度1  大阪府北部
06月18日08:38 M2.7 震度1  大阪府北部
06月18日08:42 M3.3 震度2  大阪府北部
06月18日08:51 M2.4 震度1  大阪府北部
06月18日09:13 M2.5 震度1  大阪府北部
06月18日10:03 M2.7 震度1  大阪府北部

大地震3連発に関係する有馬-高槻断層帯付近での震度6弱

今回の地震はほぼ有馬-高槻断層帯上と言っても良い場所で起きたと見られ、すぐ近くには生駒断層帯や上町断層帯が走っている。

気象庁による詳細な分析を待つ必要はあるが、有馬-高槻断層帯は平均活動間隔が1,000~2,000年程度と考えられており、最新の活動としては1596年の慶長伏見地震(M7.5)が挙げられ、30年地震発生予測はM7.0~M8.0の規模がほぼ0~0.03%とされている。

生駒断層帯は平均活動間隔が3,000~6,000年であるのに対し最新の活動時期は1,600年前~1,000年前頃とされ、30年地震発生予測はM7.0~M7.5の規模の地震が0.2~0.4%の確率で起きるとされている。

そして上町断層帯は平均活動間隔が8,000年程度であるのに対し最新活動時期は約28,000年前から9,000年前の間とされており、30年以内にM7.5程度の地震が2~3%という非常に高い確率で予測されている上に、大阪平野を南北に貫いていることから仮に発震すれば関西圏に甚大な被害を及ぼす恐れがある断層帯として知られている。

今回の地震が上町断層帯に及ぼす影響は不明だが、防災白書によると上町断層帯でM7.6の地震が発生した場合、死者約42,000人、全壊・焼失棟数約97万棟、避難者は約550万人に及び被害総額は約74兆円と見込まれていることから、地震活動が上町断層帯に波及するようであれば要注意だろう。

上町断層帯に対してはこれまでもメディアが取り上げてきた。2013年に活断層を扱ったNHK「MEGAQUAKEIII」の中で「次の直下地震はどこか」として上町断層帯に注目、「科学者たちは大阪平野を縦断する上町断層帯に警戒を強めている」と指摘しただけでなく「今回の調査により、従来の想定を超えた地震が発生する可能性があることが分かった」と伝えていた。

また2017年02月には産経ニュースが「南海トラフ地震近づき、大阪上町断層帯も警戒必要」としてその危険性についてこう伝えていたのである。

産経ニュース「兵庫県の防災監を取材した際、その話を向けると、返ってきた答えが『上町断層帯が心配』だった」

指摘されていた「大阪府北部」での強い地震

西日本の内陸部で起きた今回の地震は南海トラフ巨大地震の前触れのひとつであった可能性がある。

西日本における地震活動が次の南海トラフ巨大地震に向けて活発化しているとの指摘は既に広く知られており、その端緒は1995年の阪神淡路大震災(M7.3)であったと考えられている。

2000年の鳥取県西部地震(M7.3)や2001年の芸予地震(M6.7)、2013年の淡路島M6.3に2016年の熊本地震(M7.4)と鳥取県中部M6.6もこうした流れに沿った地震であったと見なされており、今回のこうした動きの一環として捉えることが出来る。

特に近畿における内陸地震に対しては2018年に入ってからも専門家が警鐘を鳴らしていた。東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授が2018年01月27日に産経ニュース上で「西日本の内陸地震は阪神大震災以降、次の南海トラフ地震に向け活発化しているとみたほうがよいでしょう」とした上で、今回の震源だった大阪府北部を明示してこう述べていたのだ。

遠田「私は、近畿では山崎断層、大阪北部、京都府南部、和歌山の地震に注目しています」

遠田教授の発言を紹介したこの時の記事は「南海トラフ地震を前に増加する内陸地震に警戒せよ 近畿、首都圏は要注意」とまさに今回の地震を念頭に置いていたかのようであったが、同氏は05月12日も産経ニュースで「南海トラフ地震の前に発生する内陸地震に警戒必要」と同様の指摘を繰り返しており、その意味では今回の地震は十分予測の範囲だったと言うことも出来る。

南海トラフ関連震源へのシグナルも複数

今回の地震に対しては何らかのシグナルは見られていたのだろうか。

まず直近では06月17日に群馬県南部でM4.7・震度5弱が起きた際に、同位置の震源における過去の地震とその後の発震状況から、南海トラフ関連震源でM5以上の地震が起きる可能性を指摘していた(関連記事)。

また06月12日に大隅半島東方沖でM5.5・震度4が発生した際にも06月に入り南海トラフ関連震源での地震活動が活発化していると紹介すると共にこの時も同位置の震源ではその後南海トラフとの関わりが深い場所が揺れていたケースがみられるとして注意を促していた(関連記事)。

更に05月30日に徳島県南部でM3.8・震度2が起きた時にも同位置の震源が揺れた後には南海トラフ関連の震源で強い地震が起きていた事例を紹介(関連記事)、05月21日の安芸灘M3.3でも岡山県北部とのコンボ後にやはり南海トラフ関連でM5を超える地震が記録されていた例を紹介していた(関連記事)。

他にも05月04日に千葉県北西部でM4超えが連発した際に、過去9事例中、同様のケースではそのうち8回で南海トラフ関連でM5以上が起きていたと紹介していたのだ(関連記事)。

このように西日本における強い地震の発生についてははいくつものシグナルが出ていた状態であった。

最近の近畿周辺における異変は

今回の地震との関連は不明だが、参考までに最近大阪をはじめとする近畿周辺で見られていた異変について紹介しておく。

05月16日に奈良県でシカの大群が住宅街を疾走したというニュースがあったが、05月29日には和歌山県南部でテングチョウが大発生したと報じられていた。

テングチョウの大発生は2014年にも見られたと言うが、「理由はわかっていない」とされていることから一応触れておく。

06月に入ると120年に1度しか咲かないと言われる竹の花が大阪市の庭園で咲いたという話題が報道されていた他、瀬戸内海ではイルカの群れが出現とのニュースがあった。

06月12日に神戸新聞が伝えていたもので、明石海峡にイルカの大群が現れたというのだ。30~40頭のイルカだったと言うが、06月上旬には岡山県で同様の群れが目撃されていたことから、東に移動してきた可能性が示唆されていた。

今後の留意点は

今回の地震によって今後どのような揺れに留意しておく必要があるのだろうか。まず今回の地震が本震であった場合には、今後余震として同程度の揺れが発生する恐れがあることに十分注意すべきだが、更に大きな規模の地震が起きる可能性も現状では捨てきれない。

その場合注意しておくべきなのは有馬-高槻断層帯で前回起きた強い地震である1596年の慶長伏見地震に似た動きになることだろう。

慶長伏見地震は中央構造線断層帯沿いに、数日という短い間にM7を超える地震が3回も連動した地震であったためだ。

1596年09月01日 M7.0 慶長伊予地震
1596年09月04日 M7.8 慶長豊後地震
1596年09月05日 M7.5 慶長伏見地震

中央構造線断層帯沿いの四国や九州での地震に繋がっていく可能性も否定出来ないのである。

また南海トラフ巨大地震との関連で言えば引き続き西日本の内陸部での地震に警戒すべきだが、1596年の例で言えばその9年後の1605年に南海トラフ巨大地震だった可能性が指摘される慶長地震(M8.0)起きていたことを踏まえ、南海トラフ巨大地震が迫っていると考えておくべきだろう。

実際、前回の南海トラフ巨大地震であった1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震の前にも、1932年に大阪府北部でM5.8という強い地震が記録されていたのである。
 

※画像は気象庁より。
関連URL:【内閣府防災情報のページ】 上町断層帯の地震(M7.6)により想定される震度分布及び被害想定結果 【産経ニュース】南海トラフ地震近づき、大阪上町断層帯も警戒必要 マラソンコースなみの断層帯が大阪平野を縦断 阪神大震災超える揺れ、国想定 【産経ニュース】南海トラフ地震を前に増加する内陸地震に警戒せよ 近畿、首都圏は要注意 地震学研究者が警告 【産経ニュース】南海トラフ地震の前に発生する内陸地震に警戒必要 注目エリアは近畿、中部 専門家対策呼びかけ 【神戸新聞NEXT】明石海峡にイルカの大群 大橋を背にジャンプ披露


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