180623-008traph

2018年06月23日大阪府北部地震で「9世紀との酷似」に複数の専門家が言及、未発生の災害とは

Pocket

 
06月18日に大阪府北部で発生したM6.1・震度6弱の地震で、東日本大震災直後から指摘されてきた「9世紀との酷似」を再び複数の専門家が指摘している。これが注目されるのは仮に9世紀の再現となる場合、「まだ起きていない地震と噴火」に南海トラフ巨大地震や首都直下地震、それに富士山の噴火が含まれるためだ。更に次の南海トラフ巨大地震の規模が従来より大きくなる可能性も浮上している。

専門家が相次いで「9世紀との酷似」を指摘

大阪府北部震度6弱から4日後の06月22日、朝日新聞が「地震の発生状況、9世紀に似ている」とする地震考古学の第一人者とされる寒川旭・産業技術総合研究所名誉リサーチャーの話を掲載した。

今回の大阪府北部M6.1・震度6弱と有馬-高槻断層帯で1596年に起きた慶長伏見地震の関係や南海トラフ巨大地震への懸念といった内容から「現在の地震の発生状況は、平安時代初めごろの9世紀の状況と似ている」と指摘、対策の必要性に触れる記事だが、「9世紀との酷似」については、06月23日にも別のメディアが報じているのだ。

週刊文春が「大阪北部地震は『西日本大震災』の序章にすぎない」というタイトルで京都大学の鎌田浩毅教授のコラムを掲載した中で言及されているもので、鎌田教授は古文書を読み解いた結果「現在の日本列島の『地下』の状況は、9世紀の日本と非常によく似ている」と述べているのである。

869年に東日本大震災と比較される貞観地震が東北地方で起きた他、南海トラフ巨大地震とされる仁和地震が発生していた9世紀との類似性に大阪府北部地震をきっかけに専門家が改めて着目しはじめたという点は知っておくべきだろう。

貞観地震期の再来で未発生の地震とは

東日本大震災が869年の貞観地震(M8.6)の再来ではないかとの観点から、現在の状況が9世紀と酷似しているとの指摘は以前から何度も週刊誌や日刊紙が取り上げてきたことから、知っているという人も多いことだろう。貞観地震前後には確かに大地震が多発していた。

864年 富士山噴火(貞観大噴火)
868年 播磨国地震(M7.0)
869年 貞観地震(M8.6)
878年 相模・武蔵地震(M7.4)
880年 出雲地震(M7.0)
887年 仁和地震(M8.5)

東日本大震災に相当する貞観地震(M8.6)や阪神淡路大震災に当たる播磨国地震(M7.0)、それに2000年の鳥取県西部地震(M7.3)に近い出雲地震が既に発生済とした場合、問題は残る地震だ。

貞観地震の9年後には首都直下地震相当の相模・武蔵地震(M7.4)が、その9年後には南海トラフ巨大地震である仁和地震(M8.5)が起きていただけでなく、青木ヶ原樹海を作ったとされる富士山の貞観大噴火までが未発生だからである。

9世紀との類似性を示す要素は他にもある。2016年09月に韓国で史上最大規模とされるM5.1とM5.9の地震が起きた際に、韓国でも9世紀の同時期に地震が多発していたと話題になっていたのだ。2016年09月の地震の際、日刊ゲンダイが東大名誉教授の言葉としてこう伝えていた。

日刊ゲンダイ「869年に発生した東日本大震災と同規模の貞観地震。朝鮮半島に現存する最古の歴史書『三国史記』によると、1年後の870年から、韓国で地震が頻発したことが分かります」

だが、留意しておくべきなのは9世紀との類似性だけではない。

1,200年サイクルと400年サイクル

過去との類似性という点ではもうひとつ、知っておきたいことがある。9世紀との類似性についてが「1,200年サイクル」であるのと同時に、「400年サイクル」が存在するというのである。

2016年05月に茨城県で震度5弱の地震が発生した際に、元前橋工科大学教授の濱嶌良吉氏は日刊ゲンダイでこう語っていた。

日刊ゲンダイ「濱嶌氏によると、日本列島は400年と1200年サイクルで大地震に見舞われ、今は2つのサイクルがちょうど重なる時期に当たるという。」

1,200年サイクルと400年サイクルには別の専門家も言及していた。2017年01月にこれも日刊ゲンダイで琉球大学の木村政昭名誉教授がこう述べていたのだ。

木村「M8.3超と推定される1200年サイクルの貞観地震(869年)の再来期にあたり、M8.1とされる400年サイクルの慶長三陸沖地震(1611年)の時期もダブっている。」

では400年前には何が起きていたのだろうか。ここで思い出したいのが今回の大阪府北部M6.1・震度6弱の震源から最も近い有馬-高槻断層帯で1596年に起きていた慶長伏見地震である。400年前とはまさにこの時期だったからである。

400年前には慶長伊予地震・慶長豊後地震・慶長伏見地震の中央構造線付近での3連発以外にも、1605年に南海トラフ巨大地震とも言われる慶長地震(M8.0)が発生していた。

現在が400年サイクルと1,200年サイクルが重なった時期だとすれば、東日本大震災が1,0000年に一度の大災害と言われるのも当然だが、これから起きる首都直下地震や南海トラフ巨大地震、それに富士山噴火も予想以上の規模となる可能性は捨てきれない。既に南海トラフ巨大地震に関してはそうした指摘がなされているのである。

南海トラフ巨大地震と「スーパーサイクル」

地震発生に複数のサイクルが存在し、より規模の大きな地震や津波が日本列島を襲うこと、そして次の南海トラフ巨大地震がこれに当たる可能性があるとの指摘はつい数日前にもなされていた。

06月21日にMBSが「南海トラフ地震の『スーパーサイクル』とは?次は超巨大津波の可能性も」というタイトルで掲載したもので、南海トラフ巨大地震の中には通常よりも大きな津波が発生するケース、「もうひとつの大きなサイクルがあるのではないかというのは間違いない」と産業技術総合研究所の宍倉正展氏は語っている。

高知大学の岡村眞名誉教授によると「5メートルの堤防の地形を10メートルを超えるような大津波が来るというのは、300年とか350年に1回」だと言い、宍倉氏は次の南海トラフ巨大地震がこれに相当する可能性がある点についてこう話しているのだ。

宍倉「前回のスーパーサイクルの巨大地震は宝永地震かもしれない。次の南海トラフ地震は(宝永・1707年から)300数十年(経ったとすると)、(400~600年周期に)短いかもしれないが、(スーパーサイクルに)なってもおかしくない」

複数の専門家が9世紀との酷似に改めて着目し始めた現在、400年サイクルと合わせ迫る次の南海トラフ巨大地震が想像を超える規模となる恐れと共に、まさに400年前に慶長伏見地震を引き起こしていた場所の近くで今回震度6弱が起きたというのは、過去から学ぶべきという歴史からの警鐘だったと捉え、南海トラフ巨大地震だけではなく首都直下地震や富士山噴火といった災害への備えも決して欠かすべきではないと再認識すべきだろう。
 

関連URL:【朝日新聞】「地震の発生状況、9世紀に似ている」 大阪北部地震 【日刊ゲンダイ】韓国で史上最大規模地震 歴史が語る日本への飛び火リスク 【日刊ゲンダイ】茨城で震度5弱の不気味 「首都直下地震」の前触れなのか 【Yahoo!ニュース(MBS)】【特集】南海トラフ地震の「スーパーサイクル」とは? 次は超巨大津波の可能性も


「地震ニュース」では地震の分析と過去データからの予測・前兆情報を全てオリジナル記事でご提供。新着記事配信登録でいち早くどうぞ。


follow us in feedly

読者アンケートにご協力下さい。読者アンケート

当サイトの著作物は無断転載・使用を固く禁じています。またリライトと判断される行為についても固くお断り致します。各種Webサイト・掲示板・動画・スマートフォンアプリなど形態を問わず権利侵害行為に対しては著作権法及びその他の法に基づき厳正に対処します。「無断転載禁止」をご覧ください。


Pocket