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2018年07月07日「特段の変化観測されてない」気象庁の南海トラフ巨大地震発表文のポイントは

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気象庁が07月06日、「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」を発表し「特段の変化は観測されていません」としているが、観測状況においては注目しておくべき点もあるようだ。

これは専門家による評価検討会の定例会合が07月06日に行われ「特段の変化は観測されていない」という見解が示されたもので、07月07日朝までにNHKを含む主要メディアが報じている。

気象庁は発表文の中で「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません」としているが、一方では南海トラフで過去20年、観測されたことのない大きな地殻変動が見られていると指摘する組織もあることから(関連記事)、どちらを重視すればよいのかという面からの迷いも出そうだ。

だが、「特段の変化は観測されていない」とする気象庁の発表文も、これまでに毎月発表されてきた内容と比較すると、今回の発表文には注目しておくべき箇所も含まれていることがわかる。

発表文は「地震の観測状況」「地殻変動の観測状況」「地殻活動の評価」という項目から構成されているが、まずプレート境界付近での深部低周波地震に言及している「地震の観測状況」では2017年11月以降、このような場所が指摘されてきた。

2017年11月 奈良県から愛知県
2017年12月 奈良県から愛知・長野県境付近と四国東部
2018年01月 和歌山県
2018年02月 奈良県を中心とした紀伊半島南部と愛媛県
2018年03月 徳島県から豊後水道
2018年04月 徳島県から豊後水道
2018年05月 伊勢湾から三重県
2018年06月 なし

ところが、今回の発表では長野県南部、愛知県、奈良県から和歌山県、愛媛県東予から瀬戸内海中部,徳島県北部から愛媛県東予とこれまでにない複数の箇所が挙げられているのである。

1.長野県南部:06月19日から30日
2.愛知県:06月27日から28日
3.奈良県から和歌山県:06月22日から25日
4.愛媛県東予から瀬戸内海中部:06月13日から19日
5.徳島県北部から愛媛県東予:06月20日から26日

また「地殻変動の観測状況」についてはこれまで、こうした場所について「複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました」と報告されてきた。

2017年11月,三重県、愛知県、静岡県及び長野県
2017年12月,三重県、愛知県、静岡県及び長野県
2018年01月,和歌山県及び三重県
2018年02月,和歌山県及び三重県、愛媛県及び高知県
2018年03月,愛媛県及び高知県
2018年04月,愛媛県及び高知県
2018年05月,愛知県及び三重県
2018年06月,なし

これについては今回、上記の1~3を指してやはり複数の場所で観測されていることが示されている。

気象庁「上記(1)、(2)、(3)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。」

更に今回、紀伊水道について気象庁はこう発表しているのだ。

気象庁「GNSS・音響測距観測によると、紀伊水道沖で通常とは異なる変化を2017年末頃から観測しています。」

気象庁「GNSS・音響測距観測で観測されている紀伊水道沖の通常とは異なる変化は、紀伊水道沖における非定常地殻変動によるものである可能性があります。」

紀伊水道における異変を「2017年末頃から観測しています」と気象庁は述べているが、2017年11月以降、毎月発表してきた発表文の中で紀伊水道に言及されたことはない。

気象庁は「南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」としているが、これを額面通り受け取って良いものなのかどうか、見解が分かれそうだ。
 

関連URL:【気象庁】南海トラフ地震に関連する情報


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