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2018年08月南海トラフ・千島海溝に並ぶ「ランクIII」にもうひとつのM9クラス想定地震


 
地震調査研究推進本部が日本列島付近における海溝型地震の評価を新たに4ランクに分類し公表した。最も発生確率が高い「ランクIII」に南海トラフや千島海溝寄り巨大地震が含まれるのは当然だが、もうひとつ、M9クラスが想定されているのだ。

海溝型地震の「ランクIII」8ヶ所

今回整理された4ランクは30年以内の地震発生確率26%以上を「ランクIII」、3%~26%未満を「ランクII」、3%未満を「ランクI」、また発生確率不明を「ランクX」として、計16ヶ所について評価している。

ランクXには南西諸島海溝が、またランクIには2011年に東日本大震災が発生した東北地方太平洋沖型(M8~M9程度)や東北から北海道にかけての日本海側がそれぞれ評価されており、ランクIIには1923年の関東大震災を引き起こした相模トラフ(M7.9~M8.6程度)と秋田県沖から佐渡島北方沖(M7.5~M7.8程度)、それに十勝沖(M8程度)が含まれている。

そして最も地震発生確率が高いランクIIIは8ヶ所とされており、北海道から東北地方太平洋側にかけてのM7~M8クラスの地震のほか、南関東で起きるM6.7~M7.3程度の地震も属しているが、当然、南海トラフ巨大地震や千島海溝M8.8以上といった一際規模の大きいM9クラスもこのランクだ。

ランクIIIの中でM9クラスが起きる可能性があるとされているの3ヶ所。南海トラフ(M8~M9程度)と千島海溝の17世紀型(M8.8程度以上)はもちろんだが、もうひとつ存在しているのである。

IIIランク(高い:30年以内の地震発生確率が26%以上)
千島海溝の17世紀型 M8.8程度以上
根室沖から色丹島沖及び択捉島沖 M8程度
三陸沖 M7~M8程度
宮城県沖 M7.0~M7.6程度
福島県沖から茨城県沖 M6.7~M7.6程度
三陸沖北部から房総沖の海溝寄り M8~M9程度
その他の南関東の地震 M6.7~M7.3程度
南海トラフ M8~M9程度

IIランク(やや高い:30年以内の地震発生確率が3~26%未満)
十勝沖 M8程度
秋田県沖から佐渡島北方沖 M7.5~M7.8程度
相模トラフ M7.9~M8.6程度

Iランク(30年以内の地震発生確率が3%未満)
北海道北西沖 M7.8程度
青森県西方沖から北海道西方沖 M7.5~M7.8程度
新潟県北部沖から山形県沖 M7.5~M7.7程度
東北地方太平洋沖型 M8~M9程度

Xランク(地震発生確率が不明:すぐに地震が起こることが否定できない)
南西諸島海溝
 

南海トラフ・千島海溝に並ぶM9クラス

ランクIIIの切迫するM9クラスとして認識すべき3ヶ所のうち、「南海トラフ」「千島海溝」以外のひとつとは「三陸沖北部から房総沖の海溝寄り(M8~M9程度)」である。

日本海溝に近く日本列島から離れた場所で起きる巨大地震で、太平洋プレートと北米プレートの境界で発生する津波地震と、太平洋プレートの内部で発生する正断層型地震の2つのタイプに分類される。

前者の例としては1611年の慶長三陸地震(M8.1)、1677年の延宝八戸沖地震(M8.0)、そして1896年の明治三陸地震(M8.2)が挙げられ、後者の例としては1933年の昭和三陸地震(M8.1)を挙げることが出来る。

アウターライズとなる後者について地震調査研究推進本部では平均発生間隔を400~750年と考え、30年以内の発生確率を4~7%と考えているが、前者については平均発生間隔を103年と指摘しており、Mt8.6~Mt9.0の地震が30年以内に30%程度の確率で発生すると考えているのだ。

兼ねてより懸念されている南海トラフ巨大地震と2017年12月に切迫している可能性があると発表された千島海溝寄りのM9クラス巨大地震については既に広く知られているが、3つ目として三陸沖北部から房総沖の海溝寄りにおいても、津波をもたらすM9クラスが控えている恐れがあるということを福島第一原発との兼ね合いからも認識しておくべきだろう。
 
関連URL:【地震調査研究推進本部】長期評価の広報資料の改善について