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2018年09月06日胆振地方中東部で熊本地震以来の震度6強、付近ではM7.7の想定も


 
2018年09月06日の03:08に胆振地方中東部でM6.7・震度6強の地震が発生した。台風通過直後の強い地震であると同時に、8月に世界的にM6以上が急増した流れを受けての地震であった。今後の留意点は。

2016年の熊本地震以来の地震活動

日本国内でM6.5以上の地震が観測されたのは08月17日の硫黄島近海M6.6・震度1以来20日ぶりだが、その前はと言えば2016年11月22日の福島県沖M7.4・震度5強まで遡る必要があることから、最近になって日本における地震活動が急速に高まっている印象は否めない。

また震度6以上の地震としては06月18日の大阪府北部M6.1・震度6弱以来約3ヶ月ぶりで、震度6強の地震が国内で発生したのは2016年04月16日のM7.4熊本地震以来のことである。

今回の地震でまず注目すべきは台風21号の通過直後というタイミングで発生したという点だろう。09月05日の早朝に茨城県沖でM5.6・震度4が起きた翌日の胆振地方中東部M6.7・震度6強であるだけに、台風の上陸と通過に伴う気圧の変化が発震に影響を与えている可能性が改めて指摘されそうだ。

2015年以降に上陸した台風が通過した直後にM6.5を超える規模の地震が起きていた例は今回以外にも複数存在している。前述した08月17日の硫黄島近海M6.6の2日前にも台風15号が上陸していた他、2016年09月20日に上陸した台風16号の際には、その3日後に関東東方沖でM6.5・震度1が発生していたのだ。

次に着目しておきたいのが2018年08月に世界でM6以上の地震が2~3年ぶりといった規模で頻発していた点である。

2018年08月にM7を超えた地震は世界で4回発生、これは2015年05月以来であり、M6以上が23回起きたという意味でも24回を記録した2015年09月以来なのだ。

世界的な地震活動の活発化が9月に入り日本にも影響を与えた可能性を否定出来ないが、いずれにせよ震度7が起きた2016年の熊本地震以来の地震活動であると言って良いだろう。
 

出ていたシグナル「国内M7」「北海道M6」

震度6強という非常に強い揺れをもたらした今回の地震発生について、何らかのシグナルは出ていたのだろうか。

まず08月にインドネシアからフィジーにかけての一帯でM6.5以上が多発した際に、付近で過去に類似の発震状況であった25例のうち、今回同様M8以上の巨大地震を含んでいた3例についてその後の日本国内における地震を追跡したところ、いずれも前後に日本国内でM7以上の大地震が発生していたことが確認されている。

これに照らせば、M6.7というM7クラスが今回起きたのも過去のデータからは想定の範囲だったと言えるが、それ以外にも09月02日に小笠原諸島西方沖でM5.7が発生した際に、周辺で起きてきた過去の地震においてはその後日本海溝や千島海溝沿いにおけるM6以上が目立っていたとして、千島海溝から日本海溝にかけての一帯でM6以上が発生する可能性を紹介していた。
 

付近ではM7.7以上発生の恐れも

胆振地方中東部で今回起きたM6.7・震度6強の震源位置について見てみよう。まず胆振地方中東部で有感地震が発生したのは06月03日のM2.4・震度1以来3ヶ月ぶりで、気象庁の震度データベースによると過去約90年間に胆振地方中東部で記録されてきた有感地震は77回に過ぎない。

珍しい震源における地震と言えるが、胆振地方中東部では2017年にも比較的強い地震が発生していただけに、今回の地震との関連が疑われる。

2017年07月01日にM5.3・震度5弱という地震が観測されていたのだ。この時の震源位置は「北緯42.5度/東経141.5度」で、今回の速報ベースにおける震源位置「北緯42.7度/東経142.0度」とは多少異なっているが、今後の分析で正確な位置関係を確認する必要がありそうだ。

というのも2017年07月の震度5弱の際にも速報ベースでは「北緯42.8度/東経141.9度」と今回と近い場所として伝えられていたためである。

そして知っておくべきであるのは2017年07月の震度5弱の際に気象庁が会見で震源のすぐ西側に位置する石狩低地東縁断層帯の存在に言及し「今回の地震の周辺に存在する活断層等で大きな地震が発生する可能性は否定出来ない」と述べていたことだろう。

前回そして今回強い地震が起きた西側には石狩低地東縁断層帯が南北に走っており、南部における30年発生予測は0.2%と高くはないものの、想定される規模は「M7.7程度以上」とされており、今回のM6.7・震度6強よりも遥かに大きな地震が起きる恐れがあるためだ。

胆振地方中東部では09月06日03:08のM6.7・震度6強から約1時間でM5.3を含む有感地震が10回も発生している。M6.7に近い規模の地震が今後も起きるようであれば、より強い地震への警戒を高める必要があるだろう。
 
※画像は気象庁より。