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2018年09月14日平成30年北海道胆振東部地震と豊漁から不漁に転じたサンマの関係は

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豊漁だったサンマが09月06日の平成30年北海道胆振東部地震(関連記事)の直前から一転、不漁になっていた点について日刊ゲンダイが「サンマは北海道地震を知っていたのか」と関係に触れている。

これは08月末に豊漁だったサンマの不漁が続いているとして、水産庁の「9月に入って群れが近海に近寄らなくなった」現状を「サンマたちは、大地震を見越して近海を離れたのだ」「地震前に何らかの異変に気づき、遠洋に逃げたのではないか」と指摘して専門家の声を紹介しているもの。

立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学教授は深海魚やクジラ・イルカ、それにイワシなどの例を挙げ「知見はない」としながらも「サンマが海流の変化や揺れなど”異変”を感じ、移動した可能性は否定できません」と述べているが、過去には同様の事例はあったのだろうか。

まず知っておきたい2つの点のひとつ目として、2017年までサンマの全国的な不漁が続いているということ。

2018年01月05日、NHKは「サンマ半世紀ぶり記録的な不漁」として「去年、全国の港に水揚げされたサンマの量は、7万7000トン余りと前の年より30%減り、昭和44年以来ほぼ半世紀ぶりの記録的な不漁になったことがわかりました。」と伝えていた。

また2017年12月には朝日新聞が「北海道のサンマ、記録的不漁」としてやはり1969年以来の低水準であると共に道内の水揚げ量について「2016年が約51,000トン、15年が約62,000トンで、14年の約102,000トンのほぼ半分程度が続き」と3年連続の不漁であると報じていた。

2つ目の点として、今回08月に豊漁だったにも関わらず09月に入り不漁に転じた、という展開が2017年にも見られていたことが挙げられる。

2017年07月、産経新聞が釧路におけるサンマの初水揚げを「昨年の10倍、豊漁期待」として現地の市場関係者の期待感を紹介していたものの、その後記録的な不漁に終わっていたのである。

こうした点からは今回のサンマ水揚げ量の変化を平成30年北海道胆振東部地震と結びつけて考えるのはいささか早いようにも思える。だが、サンマの不漁と地震発生の関係を全く無視して良い、と断じるのも難しいのだ。

まず2017年が1969年以来の記録的な不漁とされている点について、1968年と1969年にはサンマの水揚げが多い北海道方面で大地震が続いていた。1968年05月16日の十勝沖地震(M7.9)と同日の青森県東方沖(M7.5)、それに06月12日の三陸沖(M7.2)である。

また1969年08月12日にもM7.9の色丹島沖地震が起きるなど大地震が目立つ時期であったのだ。

2017年01月には三重県熊野市でもサンマの不漁が続くと報じられ、この時現地の漁協組合長が「漁師を始めて50年、ここまで取れなかったことはない」とコメントを寄せていたが、50年前と言えば1968年04月01日にM7.5の日向灘地震が記録された年である。

そして東日本大震災の前にも、2010年に東北地方におけるサンマの不漁を現地紙が伝えていた。

サンマの不漁には海流も関係していると言われることから胆振東部M6.7・震度7の直前に不漁に転じたサンマの変化が地震発生と何らかの関係性を有しているのかについては不明だが、約半世紀ぶりの不漁となった2017年とその前から続いている不漁については、内陸部の直下型地震であった今回の平成30年北海道胆振東部地震よりも、海溝型であるM9クラス千島海溝巨大地震との関わりについて着目しておくべきだろう。その意味では今回の報道は注目に値すると言える。
 

関連URL:【日刊ゲンダイ】豊漁が一転、不漁に…サンマは北海道地震を知っていたのか


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