181123-009沼津深海魚とサクラエビ駿河湾

静岡県沼津で相次ぐ深海魚の話題、リュウグウノツカイにテンガイハタ


 
2018年11月下旬に静岡県沼津市で深海魚に関する報道が相次いでいる。11月17日にリュウグウノツカイ仔魚の撮影に成功したという話題に続いて、今度は11月21日に深海魚テンガイハタが沼津市内の漁港内で捕獲されたというのだ。静岡では他にもサクラエビの秋漁が11月は中止になったばかりである。

沼津で相次ぎリュウグウノツカイとテンガイハタ

リュウグウノツカイ仔魚の撮影は11月18日に朝日新聞が、そしてテンガイハタ捕獲は11月22日に静岡新聞がそれぞれ伝えている。

それによるとリュウグウノツカイ仔魚は11月17日に静岡県沼津市の大瀬崎で写真家が海面近くでの撮影に成功したといい、テンガイハタは11月21日に静岡県沼津市の内浦漁港内で捕獲され同日から伊豆の三津シーパラダイスで展示が始まったという。

深海魚の捕獲や海面近くでの目撃は地震の前兆ではないかとして注目を集めるが、関連が疑われる例はそれほど多くない。

10月には東海大学らのチームがイルカやクジラの集団座礁と大地震発生の相関関係についての否定的な分析結果を発表した際に、深海魚についても「深海魚の目撃例と地震の関連も検証したが、関係性は見いだせなかった」として毎日新聞が報じていたばかりである。
 

深海魚と地震最近の事例

こうした点に照らせば今回の深海魚について敏感に反応する必要はないと言えるが、短期間の間に同じ沼津市でリュウグウノツカイ、テンガイハタと相次いでいることから、東海地方においてこれまでに報じられてきた深海魚情報とその後の地震について参考までに紹介しておくことにする。

今回撮影に成功したリュウグウノツカイ仔魚については、2016年11月上旬に今回と同じ沼津市で幼魚が見つかったと報じられたことがある。その際には約10日後に和歌山県南部でM5.4・震度4の地震が発生していたが関連は不明である。

2018年には東海地方における数件の深海魚に関する情報が報じられているが、02月に神奈川県の小田原でリュウグウノツカイが水揚げされた際にはその後目立った地震は起きていない。

一方で05月上旬に静岡県伊東市で定置網にユウレイイカ、05月中旬に小田原港でヨロイザメ水揚げと今回に近い形で相次いだ時は関連は不明ながら05月17日に千葉県東方沖でM5.3・震度4の地震が発生していた。

最も注目されるのが01月06日に神奈川県二宮町でリュウグウノツカイが捕獲されたケースで、同日未明から早朝にかけて東京湾M4.7・震度4、伊豆半島東方沖M4.4・震度3、伊豆半島東方沖M4.5・震度3とM4を超える中規模地震が付近で相次いでいたのである。
 

深海に生息するサクラエビの不漁と地震・噴火

静岡県における深海魚の話題は実は今回のリュウグウノツカイやテンガイハタだけではない。駿河湾の深海に生息するサクラエビが今春から記録的な不漁で、秋漁についても11月は操業せず資源回復を優先すると報じられたばかりなのだ。

これは11月18日に日本経済新聞が伝えている。それによると例年10月下旬から12月下旬まで行われるサクラエビの秋漁を11月中は操業せず、12月に改めて判断するのだという。

春からの記録的な不漁で「異例の状態が続いている」ということだが、サクラエビの不漁と地震発生については春漁の不漁が話題になっていた06月に紹介したことがある

1997年のサクラエビ春漁の不漁について扱っていた静岡県水産試験場による同年発行の冊子によると1980年、1981年、1986年、1997年など。

これらの年における地震活動は1981年の時には顕著ではなかったものの、1980年には06月から07月に伊豆半島東方沖で数百回の群発地震と06月29日の伊豆半島東方沖M6.7・震度5弱。

1997年の際には1998年春にやはり伊豆半島東方沖で200回前後の群発地震が、そして1986年の事例では11月の伊豆大島三原山噴火や伊豆大島近海M6.0・震度4それにM5.1・震度5弱が発生していた。

21世紀に入ってから春漁が比較的不漁だったのは2010年と2011年、それに2015年が目立つが、これらではどうだったかと言えば2010年には11月に小笠原諸島西方沖M7.1や12月の父島近海M7.4が、2015年には05月末に小笠原諸島西方沖でM8.1巨大地震がそれぞれ起きていたのである。
 
関連URL:【朝日新聞】静岡)リュウグウノツカイの撮影に成功 西伊豆の写真家 【静岡新聞SBS】幻の深海魚「テンガイハタ」展示 沼津・三津シーパラダイス 【毎日新聞】東海大チーム クジラ類の集団座礁、地震発生と相関なし 【日本経済新聞】静岡のサクラエビ秋漁、11月は中止 資源回復を優先 【碧水】第82号(PDF)